待ってろインテル!(by れいたろー)
待ってろインテル!
盛者必衰の理。いつかは途切れるとわかっていた連覇でした。
ピルロを指揮官に迎えた時点で「多少の痛みを伴ってでも新しいサイクルを作っていくんだ」というクラブの姿勢も読み取れましたし、もし連覇が途切れるなら今季だろうとは思っていました。だから34節が終了し、インテルの優勝が決まったニュースがスマホの画面に飛び込んできた時も結構冷静でいられたんです。
でも、ほんの数分でその思いは180度変わります。
「え?あれ?思い出した。スクデット逃すのってこんなに悔しかったんだ・・・」
勝ち慣れるって怖いですね。ここ数シーズンはクラブも「どうしたらビッグイヤーを獲れるか?」を第一に考えていたと思います。でも、実は自分がビッグイヤーと同じくらいスクデットも欲していたんだと気付かされるほどに沸々と滾る悔しさ。高校最後の夏の大会で負けた時以来の感覚です。(ちょっと大げさですかね・・・。あ、ちなみに私、野球部でした。)
インテルはなぜ強かったのか?って考えると、私にはよくわかりません。だって直接対決以外でインテルの試合を観ていないんですから。ユベントスの試合を観る時間を確保するだけで精一杯の日常。(数年前に子供が産まれてから、ライバルチームの試合をフルタイムでチェックする時間は彼方へ消えていきました・・・)
でも18節の直接対決は衝撃的でした。
とにかくよく走るインテルの選手たち。
そしてとにかくよく走「らされる」ユベントスの選手たち・・・
その後のコッパイタリア準決勝も、リターンの37節も、一応勝ちましたけどユベントス優位の時間帯はさほど多くなかったことを覚えています。「ここ10年のインテルとは明らかに違うな」と。
インテルが強くなったのか?ユベントスが弱くなったのか?まあ両方あるんでしょうけれど、いずれにしても長い充電期間(?)を経てインテルは強くなりました。それは言わば10年前のユベントスのように。
私は、もし来シーズンもインテルが優勝してしまった場合、その後も連覇街道が続く可能性が高いんじゃないかと危惧しています。だってインテルの監督は、10年前にユベントス黄金時代の礎を作った人だったのですから。と、この原稿を書いている途中(2021年5月)で退任してしまったけれど、ユベントスだってコンテ退任後も連覇街道は続いたわけで、インテルもそうならないとも限らない・・・。だからユベントスは来季、絶対にインテルからスクデットを奪還しなければならないんです!!
では、スクデットを奪還するためにユベントスは何をしたらいいのでしょう?
Maji寄りのMajiな戦術や選手起用などはユベ議室での編集長の記事と皆さんのコメントを見れば詳しくわかると思いますので、ここはひとつ視点を変えて考えてみます・・・。。
オフの間に力をつけろ!スクデット奪還の心得3箇条
○ラグビーから学ぼう
私はもう一つのフットボールである「ラグビー」も大好きでよく観ますが、ラグビーはボールを持っていない選手がとにかくよく走ります。特にプロップ(1番、3番)の選手は、運が悪いと一度もボールに触ることなく試合を終えることもあるのだとか。
そもそもラグビーの場合、ボールホルダーはタックルされて倒れたらボールを放さなければならないという規則があるので必然的にそうなるんですけど、密集と展開の繰り返しの中で“全員が仲間のために80分、倒れても立ち上がり続け、走り続ける”というスポーツです。15人いますけど、1人サボったら終わりなんですよね。
もちろん全く同じようにはいかないけれど、イタリアは“一応”ラグビー強豪国(若干怪しいけど)の一つとされていますし、この夏、選手達にはぜひラグビーの方のアッズーリもチェックして「仲間のために走る意識」について考え直してもらえたら、今シーズン浮彫りになった課題「前線からの守備」然り、「パス回しの連動性」然り、何か変わってくるような気がしています。
何なら来季、非常勤のテクニカルアドバイザーとしてジェイミー(ジョセフ)さん、あるいはエディー(ジョーンズ)さんを迎えて助言を請うのもいいかもしれません。(笑)
○バスケットボールから学ぼう
何かのインタビューでグアルディオラ監督が「バスケットボールのコーチに話を聞いてパスワークのアイディアを得た」という話をしていたのを聞いたことがあります。
バスケットボールも然りで、ボール非保持のプレーヤーが本当によく動きます。攻撃時に相手のゴール前でパス回しをする時、必ずオフザボールのプレーヤーが相手のマークを外してパスをもらいにいきますよね。で、相手を揺さぶって守備陣形が崩れたところを狙いにいく、みたいなやつ。
繰り返しになりますが、今季のユベントスはとにかくこの「パスの受け手のサポート」が少なかった!だから自陣深くでボールホルダーがパスの出し先を迷う→その間に相手が寄せてくる→刈られてカウンターを食らう・・・もはや私の中では「2020-2021ユベントスあるある」なんですけど、これが幾度となく発動したような。「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」ではないけれど「パスの出しどころが無いなら受け手が動けばいいじゃない」というマインド、来シーズンは浸透させてほしいなと思います。
そういえばユベントス公式オンラインストアでもバスケットボールのレプリカシャツを販売していたことがありましたから(今もあるかな?)、ユベントスの面々はみんなバスケットボールが好きだと思うんですけどね。(←こじつけも甚だしい!)
○ステイホームで疲れをとろう
今シーズンは本当に特殊で、コロナ感染リスクを背負いながらもシーズン開始から殆ど毎週2試合、ろくな休みもなくて、会場に行けば無観客。心身共に削られて、疲労回復もモチベーション維持も本当に大変だったと思います。
インテリスタの方が観たら良い気分はしないかもしれませんが(悪意は無いのでご承知おきを!)、彼らが首位に躍り出たのはCLグループステージで最下位での敗退が決まり、セリエAに専念できるようになった後だと記憶しています。リーグ戦に集中することができたアドバンテージ、今シーズンは特に大きかったはず。そんな中でようやく迎えたせっかくのオフシーズンですから、とにかく疲れを取ることに注力してほしいと思います。が、そうは問屋が卸さない・・・
今夏はEUROもあるしコパアメリカもあります。まだメンバーが確定していない国が多いとは思いますが、ユベントスのメンバーも代表に招集される選手が多いことでしょう。そんな中で時間を捻出するのはとても大変だとは思いますが
- EUROやコパアメリカに選ばれなかったメンバーはとにかく家で休む!
- 選ばれたメンバーは敗退したら家に帰ってとにかく休む!
- つまり、自由時間ができた人からどんどん家で休む!
を徹底してほしいと思います。コロナ対策も兼ねて、あんまり遠出しないで疲れを取ってほしいものです。バカンスだー!って旅行に行きたい気持ちもわかりますが、どうしても行きたいなら日程には余裕を持ってほしいですね。旅行って意外と、疲れますから。
というわけで選手(+テクニカル部門スタッフ)このオフシーズン、家のテレビでラグビーとバスケットボールを観ながら、今シーズンの課題に思いを馳せて来シーズンの巻き返しモチベーションを上げて頂きたいと思います。
「自宅でできちゃうスクデット奪還作戦。まずは心構えから」
再び頂点に立つためのヒントの一つが、そこにあると思います。
最期に選手およびスタッフの皆さん。今シーズンもお疲れ様でした。オフは短いですが、なるべくゆっくり休んでください。
あ、メルカート担当部門は家でテレビなんか観てないで、この夏もお仕事頑張ってくださいね!
地球の裏側から、来シーズンの開幕を楽しみに待っています。