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ダニーロ・ルイスという男(by Stella)



ダニーロ・ルイスという男

ライター:Stella

過去にレアル・マドリードに在籍し、2019年夏にマンチェスターシティと実質、トレードでカンセロと入れ替わる形で加入したブラジル代表右SBです。

ここ数年はユベントスの試合は視聴し追うが、他リーグの試合を見ることが激減してしまったのもあり、元レアルということで在籍していたっけ?と振り返ると、カーディフの決勝の際にはベンチ入りしていたりする。どうにも近年のレアルの右SB=カルバハルしかイメージがなかったため、自身のダニーロに対する認知は失礼ながらほぼゼロでした。

 

そしてマンチェスターシティ在籍時もカイル・ウォーカーの控えのため、これまた彼に対するイメージがないのです(失礼にも程がある)。また、マリノスvsマンチェスターシティの親善試合でも途中交代で出場しており、現地で観ていたのにダニーロについて全く記憶にございませんでした。

移籍実現の際にも、移籍前までのカンセロが積極的に突破やクロスと攻撃的なパフォーマンスが目立ったのでもったいないなと思っていました(素行面や練習態度に問題ありでしたが)。

 

 

そして2019-2020シーズン、サッリを新指揮官に据え、負傷もあり試合への出場がやや遅れ、出場後は攻撃の質の不足や守備の軽さでどうにも中途半端であったり、左SBで配置されたりと他のSBの選手の負傷事情に巻き込まれる形も多いイメージが強いものでした。実際に現地で観たパルマ戦でも途中交代で出場しましたが、何か印象の残ったプレーもなく(それはサッリ指揮時のチーム全体にも言えますが)自身の加入1シーズン目のダニーロ評はすこぶる低く終えました。

迎えたダニーロのユベントス2シーズン目、ピルロが就任したばかりのU-23から電撃的に昇格した形で監督になり、SBのうちの一人のデ・シーリオがレンタルで出ていく形に。左右のSBを担当するダニーロの酷使を心配する以上に、質的に戦えるのか?と心配した自分がいました。

そんな失礼な杞憂を吹き飛ばし、評価を180度変えてくれたのが2020-2021シーズンのダニーロでした。

ピルロが敷いた3バックフォーメーションのWBに置くのかと思いきや、3バックの一角に配置し、可変システムに応じて中央に絞ったり大外レーンでの攻守の動きに躍動していました。

 

両SBができる器用性とピルロがペップのように5レーンと可変システムを志向したことで、サッリ政権時と比べてダニーロの持つ今までの経験が活きてきたのが大きかったと思います。

ダニーロが攻守どちらかに突出しているタイプではない故に、右ならクアドラードやクルゼフスキ、左なら主にキエーザのサポートとバランスを保つ彼がいたからこそ、守備ブロックと中盤より前の組み合わせの柔軟性を構築できたと思っています。また、ラツィオ、カリアリ、トリノ、ボローニャとの試合では本職ではないボランチも務め、それぞれの試合で機能せずにいる試合もあれば、役割をこなしてくれた試合もあり、ダニーロの存在が今季のユーベを大いに助けてくれた存在だと感じました。

 

 

最終節で解説の林さんも一家に一台欲しいとの表現をされたように、一家に1ダニーロと言える活躍を来季もお願いしたいものです。

ピルロが退任となり、変態策士のアッレーグリがどのようにダニーロを起用するかは今後の楽しみです。

 

ライター:Stella

 

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Posted by 編集長ミツ