あなたはアドリアン・ラビオという男を知っていますか?(By やまさん)

あなたはアドリアン・ラビオという男を知っていますか?

ライター:やまさん

 

「あなたはアドリアン・ラビオという男を知っていますか?」

 

フランス出身の26歳の選手ということまでは皆知っているであろう。

その他に知られていることと言えば

  • 代理人の母親が厄介だ
  • フランス代表とPSG双方で問題を起こして干された

といったものにあり、何故かネガティブなイメージが付きまとう選手ではないだろうか。

 

では質問を変えよう。

『あなたはアドリアン・ラビオというジョカトーレを知っていますか?』

Si(はい)と答える人が100人中100人なのは間違いない。

 

では『アドリアン・ラビオはどんなジョカトーレですか?』と質問が続くどうだろうか。

恐らく多くの人が回答に詰まってしまうのではないだろうか。

 

 

ダービッツの様な闘争心を持つわけでもない

マルキージオの様なゴール前への飛び出しのセンスがあるわけでもない

ジダンの様なテクニックやネドヴェドの様なミドルをもつわけでもない

 

それでも今のユベントスは欠かせない戦力となりつつあるアドリアン・ラビオについて、ここでは語らせていただく。

 

 

ラビオのプレースタイルについて

ラビオのプレースタイルを一言でいうと『ハードワーカー』だと私は考える。攻撃・守備問わず多くの局面で顔を出すタイプの選手であることは間違いない。

 

下記画像はラビオのシーズンヒートマップである。

(出典: https://www.sofascore.com/player/adrien-rabiot/250737)

左センターハーフを主戦場とする彼であるが、彼のプレーエリアは広大だ。

恵まれた体躯を十分に使いボールをエレガントに奪ったと思えば、最終エリアでのボールキープにも顔を出す。スペースがあれば最終ラインからドリブルでアタッキングサードまでボールを運び、そしてフィニッシュにも時折顔を出す。そしてその運動量は決して試合終盤でも衰えることはない。

 

 

ラビオの弱点

20-21シーズン、ラビオが先述のベンタンクールやブラジル代表の実力者のアルトゥール、マッケニーとポジションを争うにあたり、課題は明白であった。それは『決定的な攻撃の仕事の少なさ』と『メンタルのムラ』である

 

得点に関わる仕事の少なさはライバルと比較し実際に数字に表れてしまっている。

■19-20 セリエA

  • ラビオ: 28試合出場1ゴール1アシスト
  • ベンタンクール: 30試合出場0ゴール7アシスト

そしてメンタルのムラは彼のポテンシャルの発揮の最大の障壁だ。

フランス代表でのデシャンとのトラブルに代表される様に、時折集中力を欠きマークを外してしまうシーンや、カバーリングをサボるシーンがユベントスに移籍後も散見された。

 

 

20-21シーズンのラビオの進化

20-21シーズン開幕前、多くのユベンティーニが中盤の軸はベンタンクールと考えていただろう。

実際にベンタンクールは19-20シーズンに実力者ピャニッチからアンカーのポジションを奪い、多大なポテンシャルを見せた。但し、ライバルのコンディションが整わないこともあり、開幕戦のピッチにはラビオと新戦力マッケニーが出場することになり、ラビオはここで圧巻のパフォーマンスを披露した。

チーム2位となる107本のパス、内90本を通しパス成功率93.3%をマーク(キーバスは1本)。ただラビオの進化は攻撃面ではなく、守備面で見られた。

パートナーがセリエAデビュー戦となるマッケニーの守備のフォローを行いながら、縦横無尽にピッチを駆け回るマッケニーのスペースを90分埋め続けたのだ。首を振りながら状況を把握し、スペースを埋め続ける彼に多くのファンがピルロの姿を重ねたのではないだろうか。

そして高い集中力を保ち続けるプレーに昨シーズンからの大きな違いと進歩を感じたと同時に彼が持つ大きなポテンシャルの開花を予感させた。

その後、好不調の波を多少見せつつも彼の推進力はチームの停滞した攻撃のムードに勢いをもたらす。

 

そして彼の今シーズンのベストゲームの1つで、課題である決定的な攻撃の仕事もこなすことになる。

それはCL決勝トーナメント1回戦2ndレグポルト戦だ。

下記が120分フル出場したラビオのスタッツである。

  • シュート:5
  • 枠内シュート:3
  • 得点:1
  • キーパス:2本

120分バランサーとしてピッチを走り続けた上に、117分にゴールを決めるプレーは課題であった得点力とメンタルのムラの改善の予感が確信に変わった試合であった。

チームをどん底に落とすアウェイゴールの後に決めたゴールは、まさに‘’Fino Alla Fine‘’を体現したメンタルの強さを証明するものであった。そこにはメンタルが弱点のラビオはもういなかった。

その後もラビオは中盤の軸として誰よりも走り続けた。昨シーズンからの改善は数字としてもしっかりと残る。

■20-21セリエA

  • ベンタンクール: 33試合0ゴール4アシスト
  • アルトゥール: 22試合1ゴール0アシスト
  • ラビオ: 34試合4ゴール2アシスト

 

 

最後に

ピルロはCLバルサ戦前に『ラビオはまだポテンシャルの70%しか発揮していないことも忘れてはいけない』と、ラビオのポテンシャルの高さについて言及をした。そして16節ACミラン戦後にも『フレッシュな状態のラビオはなんでもできる。そして彼は彼自身のポテンシャルを把握できていない』といった旨のコメントを残している。実際に彼のプレーにはまだまだ伸びしろを感じさせる。計り知れないスケールの大きさを感じる。

 

スクデットを逃し早急な立て直しが求められるユベントス。

そのユベントスは新指揮官にアッレグリを据えた。

スカッドもフォーメーションもレギュラーも全て不透明でフラットな状態である。

ただし、今シーズンの充実したラビオの姿を見る限り、開幕戦のスターティングメンバーを勝ち取る可能性は極めて高いのではないだろうか。

 

ライター:やまさん

 

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Posted by 編集長ミツ