ありがとう、‘’ユベントスの‘’ピルロ

 

数年前にピルロが現役を引退した時、ユベンティーニはレジェンドに対して大きな労いの言葉を送り、そしてマエストロがユベントスで見せた数々のプレーを語り合っていた。

 

でも、ボクは違った。

 

 

昨シーズン終了後、ピルロのU-23監督就任が決まると、ユベンティーニはレジェンドに対して大きな期待の声を送り、そしてマエストロがピッチサイドで的確な指示を出す姿を想像して盛り上がっていた。

 

やはり、ボクは違った。

 

 

 

2017-18シーズンにユベントスに戻ってくる前、ボクは7年から8年のブランクがあり、その間にピルロはユベントスに加入し、そして去って行った。レジェンドとして。

だからピルロ引退の報道を目にしても、ピルロがU-23の指揮を執ると耳にしても、ボクにとってピルロはミランで活躍したイメージしかなく、インテルの"トップ下"でくすぶっている姿しか思い浮かばなかった。

 

 

それが一転したのが、8月の頭。サッリ更迭を受けて、"あの"ピルロがトップチームの監督に就任したのだ。ボクにしてみてもまさに『青天の霹靂』だった。

 

 

やはり最初は馴染めなかった。

 

ミランのピルロが指揮を執っている。そりゃそうだ。

明日からマルディーニがユベントスのベンチに座る事になったら、みんなもきっと同じ気持ちになるに違いない。

 

 

 

ピルロは何を考えているか分からなかった。

ピッチサイドでも表情ひとつ変えないし、更には『可変式』が脚光を浴びたかと思えば、次の試合では3-5-2が飛び出てくる。

「このメンツ、どう並ぶのかな」と思っていたら、クアドラードが左にいたり、ダニーロがボランチにいたりする。

 

 

会見では「テストは終了した」と口にした。

でも、次の試合も見慣れない布陣で戦っている。

もしかしたらイタリア語で『テスト』と書くと、『騙し討ち』と訳されるのかもしれない。

 

 

そして勝てなかった。

最初は大きな期待を口にしていたファンは、次第に辛辣な言葉をピルロに浴びせるようになって来た。

 

更に勝てなくなった。

シーズン終盤に差し掛かった頃には、目標はスクデットではなく、チャンピオンズリーグ出場権に変わっていた。

『前人未到のセリエA 10連覇』の道のりは、ピルロが監督に就任したシーズンに途切れる事になった。

 

 

 

でも、ボクは楽しかった。

 

小さい頃に駄菓子屋さんでクジを引いた時のように

中学生の頃に初めてサッカーの公式戦に出場した時のように

初めてアリアンツで試合を観戦した時のように

 

何を振りかざすか分からないピルロと言う指揮者の一挙手一投足に、いつもココロが踊らされていた。

 

 

もちろん勝てないチームに不満を感じた事もある。

 

だけど、常に期待が上回っていた

常にドキドキ、ワクワクしていた

常にロマンを感じていた

 

ピルロがピッチサイドから奏でるハーモーニーに。

 

 

 

残念ながらボクとピルロの旅は一旦終わる事になる。

あの、喜んでるんだか、怒ってるんだか、哀しんでるんだか、楽しんでるんだか分からない、そしてとても新米監督とは思えない程、肝が据わったピルロを見るのも、ボローニャ戦が最後になる。

 

そんなシレっとしていないで、選手たちを怒鳴り散らしてみろよ!ジャケットの一枚でも投げ捨てて見ろよ!

そんな風に思う事もなくなる。

 

 

 

フロントに言いたい事はたくさんある。

 

だけど今日はそんなものは一切無しだ。

 

オレたちのピルロの新たな船出の日だ。

 

 

大きな拍手と

 

大きな笑顔と

 

大きな感謝の言葉で、レジェンドを送り出そうじゃないか。

 

 

 

Grazie Mister!

 

 

あなたに出会えて良かった。

 

あなたが‘’ユベントスの一員‘’でいてくれた事を誇りに思っている。

 

 

心から

 

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