【さいちゃの目】グッバイロナウド、フォーエバーロナウド

 

「ユベントスにとってクリスティアーノ・ロナウド獲得とはいったい何だったのだろうか?」多くのユベンティーノが議論しているこの話題に、自分の意見を整理する意味でこの記事を書いてみた。もちろん私は重度のロナ信なので、気分を害する場合はブラウザバックすることをお勧めする。

まず前提として、ロナウド獲得直前のユベントスの状況は間違いなく”過渡期”であったことは言及しておく。3年間で2度のCL決勝進出を経て、明らかに金属疲労を起こしていた。かつて鉄壁を誇ったBBBCのディフェンスラインは崩壊し、攻撃面で違いを作れる中盤・SBの流出。ディバラを除けば若手にもこれといってチームの核になりうるほどの成長は見られなかった。そんな中獲得されたのがロナウドだったのである。

 

 

クラブアイコンとしてのロナウド

わずか3年の間に圧倒的な個に2度もボコボコにされ、CL取るなら"個の力"が必要ということでロナウドを獲得した説がある。確かにそれも一理あるが、どちらかというとクラブ価値の上昇を狙った側面が大きいと思っている。通常、過渡期のチームにはいかにバロンドーラーといえどベテランの選手を獲得することはしない。しかし、ユベントスは前シーズンにクラブロゴの変更を目玉としたリブランディングを敢行した。このタイミングでサッカーに興味のない層にもNewユベントスを売り込むには、圧倒的SNSフォローワー数を誇るロナウドの獲得は理にかなっていたと思う。注目度が上がったことにより、収容人数に限りのあるユベントススタジアム(アリアンツ?)のチケット価格の上昇、スポンサー料の向上、増資の獲得…とまあブランド力向上に一定の貢献はしたと評価はできる。

 

戦力としてのロナウド

ブランド力の向上がメインだったとしても、バカ高い給料を払っているわけだから成績面も評価しないといけない。まずよく聞かれるのが「ロナウドが来たことによってチーム総得点は減った」ということ。でもこれは正直同意しかねる。ロナウド加入直前のリーグ86得点が異常だっただけで(しかも過渡期にもかかわらず…)、それ以外のシーズンと比べるとチーム総得点数に変化はない。もちろん内訳的はロナウド一極集中が進んでしまったかもしれないが、これで「総得点が減った」と批判するのはナンセンスだと思う。3年間で100得点を挙げるゴールセンスはベテランになってもさすがの一言である。

一方、一方…なのは明らかにチームの守備強度が下がったこと。CLなどの一発重視な時を除き、この得点マシーンは守備をしない。おそらくこの点が古参(?)ユベンティーノに嫌われているのだと思うが、明確に数字にも出ている。ロナウド加入後、連覇期間中一度もなかったシーズン失点数30点台に到達。その後は監督交代による守備スタイルの変更も重なり、43、38失点と明らかに悪化していった。ここで話を少し戻すが、総得点数は減ってはいない(別に増えてもいない)。なのに失点数が増えているというのはなるほど、確かにロナウド加入によってユベントスは弱体化したのかもしれない。

また、ここ数年(特にピルロ最終版)でロナウド自身もさすがに劣化が隠せなくなってきた。圧倒的理不尽力に陰りが見え、ロナウドがピッチに立つことによって得られるデメリットがメリットを大きく上回りつつあった。「この体たらくじゃ来期もチームに組み込むのは厳しい」ロナウド擁護派のユベンティーノもこの感想を抱いたのではないだろうか。

さて、クラブアイコンとして獲得し戦力低下を招いたロナウドだが、結局のところ年間維持費が財政難につながってしまい、契約を満了することなくクラブを去っていった。ブランド向上に貢献したものの、これだけ見ると過渡期における獲得は"無謀だった"と言われても仕方ない。ではなぜこうなってしまったのか。以下の理由が考えられる。

 

 

要因1:相反するスタイルの選択と監督人事の迷走

何度も言うがユベントスは長すぎる過渡期を過ごしている。そんな中、長期政権でマンネリ化も見えていたアッレグリを切り、新たなチーム方針として「ポゼッションサッカー」を選択した。私自身はこの選択自体は悪いことだとは思わないし、主力の抜けたチームの技術力を向上させる(意識を変える?)意味では大賛成であった。しかし当のロナウドは攻撃にも守備にも自由すぎるが故、細かい縛りを課したポゼッションサッカーにはとことん相性が悪い。そこに規則規則規則の男サッリを投入したものだからチーム(というかロナウド中心のチーム)は大混乱。フロントも迷走をはじめ、サッリをわずか1年で切り、監督未経験のピルロに賭ける始末。ロナウド在籍3年で3人の監督起用である。うーん、この。いくらただのアイコンとはいえど、さすがに戦力として活かす意思はあったのか当時のフロントを問いただしてみたい。

 

 

要因2:補強戦略のズレ

これは要因1のほうと若干かぶるところはあるが、監督はポゼッションサッカーを目指しているのに、フロントの補強戦略が全くと言っていいほどポゼッションサッカーを志向していなかった。過渡期のユベントスがポゼをするうえで足りないピースは明確で、9.5番タイプのFWと、チャンスクリエイトに特化した中盤の選手である。しかし補強担当のパラティッチは選手を見る目や交渉術はいいくせに、核となるポジションの選手は全くと言っていいほど獲得せず。自分の好みの選手を獲得してはあとは監督に丸投げ状態であったので、そりゃサッリも切れる。この方針で行くならアッレグリ続投で問題なかったのではないだろうか…?(ディバラとの共存に固執したのもよくなかった。ルカクとのトレード案があったときに出しておけば…?そろそろ多くのユベンティーノに殺されそうである。)

そんなこんなでロナウドが全く活きないチーム方針と監督人事、そしてスタイルに沿った補強が行われなかったのは忘れてはいけない。正直選手も監督もかわいそうなレベルである。この状況でシーズン20G以上を保証するんだからこの人すごいな。ロナウドがいなくなった今のタイミングこそサッリを招聘すべきではあったか…

 

 

誤算1:新型コロナウイルス感染症

最後にこれは仕方ないことではあるものの、お財布への大打撃。コロナによる収入大幅減である。アイコンと言えば聞こえはいいものの、ぶっちゃければロナウドはドル箱、客寄せパンダである。ロナウドがいるからチケットが高くなってもサポーターは試合を観に来てくれる。しかしロナウド在籍3シーズンのうち、2年をコロナのせいで無観客もしくは少人数での開催となった。PSGと違い、資金力だけでなく都市としての魅力も劣るユベントスにとって、この一大イベントによる収入が得られなくなったのは痛すぎた。個人的には世界でコロナの悪影響を受けたクラブがユベントスだと考えている。

 

 

アフターロナウド

さて、連覇記録が途絶えただけでなく、ロナウドを放出したことによりユベントスは本格的に過渡期に向き合い新たなチームを土台から作っていくことができる。今のチームはキエボヌを除けば総じて若い。ロナウドの幻影から解放されたディバラを再び中心に戻すのか、両足を使えスピードと理不尽力もちらつかせているキエーザがロナウドの後釜となるのか…いろいろと妄想がはかどる。コロナ禍において大きな負担だった高額年俸の削減もできたことで、新フロントは再び堅実に、セリエから選手を強奪する憎たらしいスタイルに転換する気配がする。ロナウド獲得は失敗とは言わない。その後の選手監督へのサポートを怠ったユベントスの迷走とコロナウイルスを失敗と位置付けたいと思う。そうだ!これも全部コロナのせいだ!(そんなロナウドとポゼ方針、監督たちを精一杯擁護し続けた私も無能を襲名させていただきます!)

最後に、こんな過渡期のクラブに加入し133試合で101ゴールを記録、おまけに減価償却残っている分の移籍金を残していった(らしい?実は契約解除でしたとか言ったらキレる)ロナウドに感謝したい。グッバイロナウド、フォーエバーロナウド。ビッグイヤーとバロンドールはまた別の機会に……では。

 

 

 

 

 

さーて、俺のキエーザの時代が来るぞ~~~~~~~~7番つける????

 

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