【さいちゃの目】冴えないディバラの活かしかた Fine




今回は月ユベ執筆チームから「さいちゃさん」の寄稿となります。さいちゃさんの目から見た「ディバラ評」。是非、お楽しみ下さい!

 


さて今回はみんな大好きディバラさんについて、自称ディバラ売却推進派の私がまとめていこうと思います。ディバラに関しては過去何度も言及してきたので内容が被っている部分が多くあると思います(というかめんどくさかったのでコピペ多用)。彼に対する自分の考えを再確認したかったので改めて書いてみる事にしました。かなり偏見が入っているので、ここは違うだろってところは是非否定してください。

 

ここ近年のプレースタイルの変化

ディバラの特徴を一言で表すと、オープンスペースで活きるセカンドトップ寄りのストライカー。地味なキープ力と球離れの良さもあってここ数年はリンクマンとして目立ち始めましたが、最大の長所はミドルレンジからの正確なシュート。運動量が豊富なわけではないし、スピードも無いためウイングで使うと大爆死します。ドリブル技術は高いものの、アジリティも足りないので密集地帯を一気に抜けることは難しい。そのため、彼を使うなら外では無く中央。サイドアタッカーで幅を取り中央にスペースを生むのがベストです。特定の条件を生み出せば輝くんだけど、そのためにはチーム全体で合わせないといけない。典型的な王様タイプです。トップ下として括るならエジルやハメスロドリゲスが思い浮かびますが、ディバラの場合は味方を活かすパスは得意ではありません。その分シュート精度に努力値を全振りしてあります。つまりなんだ、能力が自己完結しすぎていてこの上なく使いにくい。守備面はというと、1列目の選手としてパスコースを切るのがものすごく上手い。ブロック守備からマンマークに切り替える際のスイッチ役をになったりもします。(画像誤字ってるけど直すのめんどくさいから許して…)

 

さて、ここまでが昨季前半戦までの評価。ここから少しプレースタイルに変化が生じます。ここ近年、ユベントスの中盤はパスを散らすだけでゲームメイクができる人員・選手配置を採用してきませんでした。そのため、ディバラに高い位置でボールを供給できなくなり、結果として彼自身が降りてきてビルドアップに絡むようになりました。しかし、その空けたスペースに走り込む選手もまた皆無なため、決してハマっていたとは言えません。それでもゴール前まで運べば、その圧倒的な個人能力のおかげで数字を残す事に成功しました。昨季は11得点6アシストでセリエAのMVPに輝きました。11得点6アシストで。(画像誤字って以下略)

 

そして迎えた今シーズン。ディバラのプレーエリアはさらに下がり、ついにはビルドアップに参加するとシュートに絡めなくなる位置まで降りてきました。もはやボランチの位置です。最大の長所であったはずのシュート精度が活かせなければ、下がってビルドアップに貢献しても収支が合いません。また、右サイドに流れることが多いので、必然的にビルドアップが右偏重になり、幅を取りながらビルドアップを行うというチーム構造を破壊しています。ならいっそのこと中盤の選手として計算したいところですが、今度は守備の問題が発生します。ディバラは1列目としての守備は良いものの、2列目に組み込めるほどのフィジカルとボール奪取能力はありません。つまり、攻撃では2列目の選手として振る舞い始めているのに、守備で計算できない。列の矛盾が生じ、使いづらい選手である事に拍車がかかってきています。

 

 

このまま王様にするの?

よくユベンティーノから聞くのが「ロナウドがいるからディバラが輝けない」という意見ですが私個人としては前述の通り、プレースタイルが変化した事によって輝きを失ったと考えています。たった3試合、長期離脱からの復帰直後で評価を下すのはどうかと思いますが、ロナウドがコロナで離脱していたここ最近のプレーを見る限り、ディバラ中心にしても何も変わらなかったと感じます。

そのルックスと10番を背負っている事でファン人気はすこぶる高いですが、正直今の出来だと10番に相応しくないでしょう。理不尽力とエースとしての格、キャプテンシー、広告塔としてのブランド力はロナウドが圧倒的です。リンクマンとしてはラムジーに劣り、(本来の)同じプレーエリアを得意とするクルゼフスキが加入。おまけに新たなチームのアイコンとなりうる若手イタリア人アタッカーまで加入しました。彼ももう27歳です。期待の若手という立ち位置ではなく、今がサッカー選手として絶頂期(であるはず)です。しかしそれでもチームで絶対的な立ち位置を作れていない。このままだと年俸1000万€なんてクラブが出すとは思えません。王冠を外し、彼がチームに合うように変化しなくてはならないと強く感じます。

 

ディバラを活かすための3ルート

「3センター起用」まずはこれ。大穴ではありますが、ここ最近のディバラのプレーエリアを考えればいっそのこと最初から低い位置で使ってしまえという算段。無理にスタイルを変えてもらう必要もありません。これだと2トップとの併用が可能になり、前線に人がいないという問題も解消されます。そのためにはディバラが中盤としての守備強度をあげることが絶対条件です。なお、いちばんのストロングポイントであるシュート精度は完全に捨ててもらう事になります。

「セカンドトップ型ストライカーへの回帰」これ案外見落としがちなんですが、ディバラのエリアが下がってきたのは後ろのビルドアップが不甲斐なかったから。今季はピルロが改革に取り組んでおり、久しぶりにまともなビルドアップを見ることができています。ディバラはもう少しチームメイトを信じて前線に張ってみてもいいと思います。これだと攻撃面の長所を活かしつつ、守備の特徴とも矛盾しません。というか、今季はビルドアップだけでなく幅取り要因もいるので、むしろディバラにとってもやりやすい環境のはず。ただ、唯一の問題はセカンドトップ型のストライカーはロナウドという完全上位互換がいること。同タイプの併用はチームとして崩壊しますし、ここはロナウドとのレギュラー争いに勝つしか生き残る道はありません。(このポジションで終盤にジョーカーとして使うのがベストだとは思うんだがなあ…ライン間で躍動してくれ…)

「売却」でもってこれ、本命です。チームに組み込めない、個人能力は高い、選手としてのピークの年齢、年俸が高い、減価償却が進んでいるので大幅なキャピタルゲインが見込める、財政難、ルックスがあり人気、エースはロナウドがいる、若手の後釜もいる、もうディバラにビルドアップ頼る必要も無い……8000万€のオファーがきたら即決してもいいです。問題はそんなオファーがこないことなんですけど…。その売却益でウィークポイントの補強に回した方がチーム全体としては強くなると思います。ディバラ本人としても王様できるチームにいた方が能力を最大限に活かせます。ユベントス愛を貫いてくれるのは本当に嬉しいんだけどね。勝負の世界は厳しい。

 

 

終わりに

ディバラにとっては今季が本当に最後の、勝負のシーズンになると思います。長期離脱明けでコンディションが戻り切ってないのはわかります。それでも自ら志願して試合に出ているのならば、結果を残さなければ評価してもらえないと思います。とはいえ過密日程の今シーズンも必ずどこかでディバラの能力に頼らざるを得ない場面は出てくるはず。まずはコンディションを戻すこと、そして本来のプレースタイルに回帰すること。スペツィア戦でロナウドに格の違いを見せつけられた今だからこそ、彼の奮起に期待したいと思います。頑張れディバラ。

では。

 

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