【採点コーナーあり】月ユベ執筆チームの目に映った「ユベントス・リスタート」



 

93日振りに再開されたカルチョ。かつてないインターバルを過ごし、これまでにない規制の中でトレーニングを行い、そして迎えたミラン戦。そこでプレーするユベントスは、ファンの目にどのように映ったのか。

今回は月ユベ執筆チームから、kassiさん、タカオ店長さん、さいちゃさん、nayumoさん、kanさん、そして編集長ミツの感想と点数を掲載させて頂きます。

 


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kassi(80点)

一安心と一抹の不安

歴史上に例を見ない、シーズン中断明けの難しいゲームで「負傷者を出さずに決勝進出という結果に‘’一安心”」というのが率直な感想。

良かった点は、ミランと比べてチーム全体のコンディションが整っていた事(選手間のばらつきや終盤のガス欠はやむを得ない)。サイドバックを上手く使い、中央に寄りすぎずミランを揺さぶり続けた攻撃、攻守の素早い切り替え、そして守備陣の高い集中力など前半の出来は素晴らしく、足りなかったのはゴールのみ。個々の選手ではベンタンクール、ダニーロ、デ・リフトらのプレーが印象的であった。

一方で、ロナウドをCFで起用し、このタイミングでチャレンジを試みるサッリの采配に‘’一抹の不安‘’も。過密日程で戦術的な落とし込みが出来る時間が限られている中、このチャレンジが吉と出るか凶とでるか。

 

 

タカオ店長(70点)

This is Juventus 

90日以上の空白を思えばシーズン緒戦という捉え方もできる試合。準備期間の短さを考えてもまずは選手個々のコンディションの確認が主眼点になる。その意味では上々のスタートを切ったと言えるでしょう。特に序盤はミランの選手とのコンディションの差の大きさを感じさせた。

それもあってか早い時間にレビッチの退場を誘い、かえって試合運びは難しくなったと言える。あくまでトーナメント戦であり、求められるのは勝ち抜けという結果。1stレグでアウェイゴールを奪っているという複合的な条件が整えば、『試合を殺しにいく』のがユベントス。点を取るべき時間に取れない(PK失敗が一つのスイッチとも言える)となると、生かさず殺さず試合をコントロールして最低限の結果をきっちり残した。それだけで及第点と言える試合と言えるだろう。

30点分の減点は攻撃時の連携に上積みが見られなかったこと。スリートップの新たな配置というチャレンジは「失敗」と言わざるを得ない。ディバラは右もできるが良さが限定され、ロナウドは真ん中だとノッキングの原因になる。左のコスタはクロスマシーンと化してしまい、結果として‘’全員の長所を殺す配置‘’となってしまった。このサッリの意図については、現時点で知る由はない。

控え選手の出来については評価は別れるところだが、まずはチームとして結果を出したことを良しとしたい。試合を終わらせるミッションは最低限こなしたと見る。

 

 

さいちゃ(90点)

ほぼパーフェクトな準決勝

難しい状況の中、決勝戦に駒を進める事ができたのは本当に大きかった。この結果だけを見てもほぼ満点で異論は無い。この先中3日の過密スケジュールが続くことを考慮すると、数的有利になってから無理せず試合を運んだのも評価できる点である。カウンターで1点を失えば敗退もあり得たので、冷静な判断のもと”カップ戦の戦い方”が出来ていた。

内容に目を移すと、様々な変化が見受けられた。コスタやベンタンクール、両サイドバックを中心としたサイド攻撃は特に素晴らしかった。うまくピッチの幅を使えない事が中断前の大きな課題だったため、継続する事ができればタイトルも見えてくるだろう。また、最も印象的だったのがロナウドのゼロトップ。無理なタスクを任され、全くハマっていなかったが、センターフォワード不足に悩む状況からすると”あり”と考える。守備のしやすさにも繋がるので、来季以降も見据え今後もチャレンジしてもらいたい。

結果を残しつつ、内容の改善に取り組んでいたので高評価をつけた。途中出場組の出来が劣った事に関しては、交代枠増に伴い試合勘も徐々に戻ると思われるので、目を瞑ることとする。

 

 

nayumo(85点)

復帰戦としては85点

ベンタンクールは中断前の好調そのままに、文句のつけようがないほど良かった。そして各紙予想でも名前が挙がっておらず、この試合の‘’サプライズ選出‘’となったダニーロは、自身の活躍によりスタメン起用が間違いでなかった事を証明した。加えて前半のスムーズなボール回しについては、久しぶりの公式戦にも関わらずまるでトレーニング時のようであり、各選手の能力の高さを改めて実感した。

逆にロナウドとコスタは不調だったと言わざるを得ない。初期配置的には今回ロナウドが中央でコスタが左に入ったが、ロナウドは得意の左からカットインしたシーンでも難なく止められており、コスタもキレキレのドリブルを拝むことができなかった。しかし、これは試合感のなさと不慣れなポジションが影響しているので、全く心配はしていない。

この試合で一番大きな問題は、ファイナルサード以降の効果的な連携がないことだ。
純粋なセンターフォワードが不在だった為に、前線の3選手が入れ替わり立ち替わりこのポジションに入る事になり、ポストプレーをするシーンもあったが精度がイマイチ。やはり純粋センターフォワードのイグアインか、攻撃時にその場所に飛び込む事の出来るラムジーのような選手が必要だろう。

戦術的にはまだまだ改善点の余地があると思うが、当初の目標だった決勝進出をすることができたのだから一応の余白を持ちつつの高得点の85点とした。

もうすぐ決勝が待っている。相手は中断前に敗北を喫しているナポリ。守備の硬さに関してはおそらくミランより上だろう。

さあ、サッリと選手たちがどんな修正をしてくるのか見ものである。

 

 

Kan(95点)

ファイナルに期待

3ヶ月ぶりにカルチョが、ユベントスが帰ってきた。もはやそれだけで十分だった。強いていえばゴールを見たかったが、ファイナルにお預けだ。

ユベントスはベンタンクールやダニーロの活躍に目を瞠るものがあった一方で、早々に数的優位に立ちながら無得点に終わったことは「らしさ」という他にない。ロナウドのPK失敗に関しては相手GKのドンナルンマを褒めるしかないが、後半のラクサールを交わした直後のフリーの状態でのラボーナなど、その後のプレーがそれを引きずってしまったように映った事は残念であった。彼のファイナルでの爆発に期待する。

ロナウドのCF起用やベルナルデスキを左サイドに配置するなど新たな試みがみられ、ファイナルでの布陣にも夢が膨らむばかりである。ローマの地でカップを掲げ、残りのカンピオナートに向けての景気づけといきたいところだ。

 

 

編集長ミツ(65点)

サッリボールは垣間見えた

3ヵ月の中断期間を経て初めての公式戦。選手のコンディションの確認が一番となったが、概ねその心配は無用に終わった(ただし、ロナウドのキレが無い事が気にはなる)。準備期間が1ヵ月、しかも諸々の規制が敷かれた中ではあったものの、今日の試合を見る限りでは「サッリボールの意識」は低下しておらず、特にディフェンスラインから前線に送ったグランダーのパスに、そのメッセージ性を強く感じた。

この試合におけるプラス面については「ベンタンクールの覚醒」であり、今後はこのウルグアイ人ミッドフィルダーを中心として、両インサイドハーフのどちらかに『ラムジー』や『ベルナルデスキ』と言ったテクニカルな選手を配置すれば、ポゼッション率は高まると考える。あとはサッリにそのアイデアと覚悟があるかどうか。

また、この試合では残念ながら「偽9番の起用」が難しい事を露呈する事になった。そうであれば、イグアイン不在の際は例え守備に負担が掛かったとしても、「4-3-1-2」に舵を切るべきだろう。

 


 

と言う事で、今回は久し振りに参加型にさせて頂きました。みなさんの「点数」もお聞かせ下さい!