【編集長ブログ】例え独りぼっちになってもボクはイグアインを応援し続ける。

例え独りぼっちになってもボクはイグアインを応援し続ける。

ボクはイグアインが好きで、今シーズンもユベントスに残って欲しいと思っているし、彼はまだまだチームの力になると信じている。しかし、現状ではイグアインを取り囲む環境は厳しく、更には応援すべきユベンティーニから厳しい声が投げつけられる事もある。

実際の所、イグアインはこの夏にチームを離れる可能性が高く、そしてそれは明日にも起こるかもしれない。

 

そんなイグアインに対する想いを、ここに書き残しておこうと思う。

 

 

出会い

ボクがユベントスに戻った2017-18シーズン。その頃には全く選手の顔と名前が一致しなくて、かろうじて知っていたのはブッフォンやキエッリーニ、そしてマルキジオと言った‘’昔からの馴染みの選手‘’だけで、もちろんデル・ピエーロの系譜を受け継ぐパウロ・ディバラの名前さえ聞いた事がなかった。

そんな右も左も分からない状態で月ユベを再開した直後、月ユベ読者の方からボクのもとに一通のメールが届いた。

 

『イグアインは月ユベ向きの選手だと思いますよ』

 

イグアインと言う選手がレアル・マドリーに所属していたのは知っていたけど、(ナポリを経由して)ユベントスに移籍していたのは知らなかった。そして、どんな選手かも分からなかった。ただ「こんなメールが届くのだから、きっと面白い選手に違いない」とボクの胸は躍った。そしてその予想は当たる事となった。

 

 

イグアインと言う男を知る

イグアインは太っていた。前のシーズンの事を知らないからハッキリとは言えないが、どうやら太って帰って来たらしく、そしてそれはオフの風物詩のようだった。恐らく体質もあるのだろうけど、ボクの目から見ても明らかにアスリートの体系からは程遠く、そしてそれは不摂生をしなければ出来上がらないシルエットだった。

 

『面白いじゃないか』

 

月ユベの主役がひとり見つかった瞬間だった。

 

 

ファンからの期待

どうやらユベントスにはマンジュキッチと言うセンターフォワードがいて、イグアインが加入した事によりサイドハーフにコンバートされた事が分かった。マンジュキッチはその外見そのものに闘志を前面に出し、ファンからの支持も絶大であった。そして開幕してからエンジンの掛からないイグアインをやり玉に挙げて、「マンジュキッチをセンターフォワードに配置しろ」と口にするファンが多くなり、それはすなわち「イグアインはベンチを温めろ」と同じ事だった。

それでもアッレグリはイグアインをスタメンで使い続けたが、イグアインはその期待に面白いように応えなかった。

 

『愛らしいじゃないか』

 

ますますイグアインが好きになって行った。

 

 

逆襲

引き続きバッシングを受け、そしてファンを納得させる活躍を見せる事ができなかったイグアインだったが、チャンピオンズリーグのベスト8をかけたスパーズ戦2ndレグでやってのけた。チームはホームの1stレグで2点差を追いつかれてドロー。勝利が絶対条件(または3対3以上のドロー)のアウェイの地でソン・フンミンに先制ゴールを奪われる絶体絶命の中、イグアインは後半19分にケディラからのアシストを押し込み貴重な同点ゴールを挙げ、その直後の22分にはディバラの逆転ゴールをアシストして勝利に大きく貢献した。

まだ夜が明けぬ布団の中で、タブレット片手に応援していたボクは拳を突き上げた。

 

『見たか、これがユベントスの9番だ!』

 

これがこのシーズンにおけるイグアインのハイライトだった。

 

 

ユベントスからミラン、そしてチェルシーへ

2018-19シーズン開幕を控え、クリスティアーノ・ロナウドと言うスーパースターを獲得したユベントスにおいてイグアインの居場所は存在せず、それは「イグアイン放出」を前提とした補強でもあった。

間もなくしてイグアインはミランへローン移籍する事になるが、決して納得のいく移籍ではなかったイグアインはミランでも目立った活躍を見せる事ができずに、ミラニスタからの目も日に日に厳しいものになっていった。そんな中で行われたセリエA第12節、ジュゼッペ・メアッツァで迎えたミラン対ユベントスの一戦において、先発出場したイグアインはPKを外し、そして2枚のイエローカードにより退場する事になってしまった。誰が見ても明らかに気持ちが入り過ぎていて空回っていた。

 

『自分を放出したユベントスを見返してやる』

 

その思いをプレーに乗せる事は出来ず、その後も低調なパフォーマンスを見せたイグアインはシーズン半ばの1月、ナポリ時代の恩師であるサッリ率いるチェルシーに移籍する事になったが、そこでも全盛期のようなプレーを見せる事はできなかった。そしてシーズンが終わりを迎える頃になっても、レンタル移籍しているイグアインに関してポジティブな話題が上がる事は来なかった。

 

 

現在から未来へ

そしてチェルシーが買い取りオプションを行使しなかった事により、イグアインはユベントスの一員に戻った。経緯はどうであれ、新しいピンクのラインが入ったユニフォームを纏う(まとう)事になり、アジアツアーを一緒に戦い、ゴールも決めた。

しかし1年の月日は思いのほか長く、そしてイグアインにとっても目に見えないプレッシャーがのしかかっていたに違いない。わずか1年の間に、彼は目を見張るほど老けてしまった。

 

予想にはしていたがチームに戻ったイグアインに移籍話が幾つも舞い込んできた。しかしその都度イグアインはそれに断りを入れ、「ユベントスで戦いたい」と抗っている。恥も外聞もなく、ユベントスに執着する姿を見せている。セリエA最多得点記録を持つストライカーが、嫌だ嫌だと駄々をこねている。それだけイグアインはユベントスに愛を持っているのだ。

 

チームを正常に運営する以上、適正人数で回さなくてはならず、それはすなわち新しい選手を獲得すれば、誰かを放出しなくてはならない事を意味している。そして年俸が高いながらも結果を残していない選手であれば、その候補に名前が挙がる事は勝負の世界においては、決して不条理とは言えない。

 

しかし、だからと言って不要な選手などいるだろうか。

ユベントスにいらない選手など存在するだろうか。

ユベントスを愛し、ユベントスでプレーしたいと口にする選手に、辛辣な言葉を投げ掛ける事が出来るだろうか。

 

 

確かにイグアインはスーパーな存在ではなくなり、チームに必要不可欠な選手でもない。でも、ボクはそれでもイグアインを応援し、チームの一員である以上、彼を信じ続けている。

 

決して「応援して欲しい」とは言わない。ただ「いらない」はないだろう。

 

 

もしかしたら間もなくチームを離れる事になってしまうかもしれないが、可能性がある限りボクは今シーズンのチームで活躍するイグアインに期待する。ゴールを決めてガッツポーズをする姿を想像する。サッリに駆け寄る姿を思い浮かべる。

 

 

例え独りぼっちになってもボクはイグアインを応援し続ける。