【Hello again!】昔いた場所~2017-18振り返り



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【Hello again!】昔いた場所~2017-18振り返り

 

 

Hello again!

 

 

 

「また会ったね」

 

 

少しの恥ずかしさと、少しの気まずさと、そして少しの強がりを含め、あえて軽い感じでユベントスに戻ってきた2017-18シーズン。

 

久し振りに見たユベントスのホームグラウンドは、以前のようなトラック付きではなく程よいキャパシティのサッカー専用スタジアムになっていて、以前はボールを持てば「セーフティ・ファースト」の名の下にやたらとボールを前方に蹴り上げていたチームは、キーパーからのボールをディフェンスラインから丁寧に繋ぐようになっていて、いったんはセリエBまで降格したチームは、セリエA6連覇を成し遂げてこのシーズンも優勝候補の筆頭となっていた。

 

 

 

 

「やっぱり戻ってきたか」

 

 

それでも少しだけ皺(シワ)の増えた背番号3と背番号8と、そして左腕に腕章を巻いた背番号1は当時と同じようにスタメンに名を連ね、当時と変わらないプレースタイルでボクを快く迎え入れてくれた。

 

 

そんなボクの2度目のユベンティーノ開幕シーズンの記憶を、記録としてここに書き記しておこうと思う。

 

 

 

背番号10

アレッサンドロ・デル・ピエーロがチームを抜けて以降、テベスとポグバが背番号10を付けていた事は知っていて、しかしそれには少しだけ違和感を感じていた。もちろんその二人の選手に対して何か不満があった訳ではないのだが、「ユベントスの10番っぽくはないな」と言うイメージが残っていた。かと言って、その期間はユベントスを応援していた訳でもないので、それを口にすることもなかったし、もちろん口にする権利すらなかったと思っている。

 

そして2017-18シーズン。

久し振りに見たユベントスの背番号10は、「ユベントスの宝石」と称される選手が背負っていた。彼が21番を背負っていた時期も知らなければ、それこそ開幕戦で初めて見た選手である。それでも「ユベントスの10番にふさわしい」と直感で分かったし、試合を見続ける事によりその直感は間違っていなかったと確信した。それくらいディバラは輝いていた。そして、何よりもシーズン中に見せた脆さがボクを惹き付けた。

 

 

—10年前に魅了された背番号10と同じじゃないか。

 

 

彼を見続けたい、見届けたいと思った。

 

 

 

シーズン序盤

マルキジオが開幕戦でスタメンを飾った後は、怪我によりベンチ入りすらままらなかったのは残念だったが、それでもボクの新しい仲間たちは新たな刺激を与えてくれた。

ピアニッチの中盤のゲームコントロール力は間違いなく世界でもトップクラスだろうと思ったし、マンジュキッチの漢気は同性に彼のファンが多い事もすぐに理解した。右サイドバックのリヒトシュタイナーは上手く言えないけれど「もの凄くユベントスらしい選手だな」と感じたし、左サイドバックのアレックス・サンドロはデル・ピエーロとビリンデッリを思い出させてくれた(笑)。そして、誰が見てもぽっちゃり体型のイグアインは、至る所で「ブタ」だの「プロとして失格」と叩かれていたが、その愛くるしいキャラクターからもすぐに「見守りたい」と思い、「この選手から目が離せない」とも思った。そして狙い通り月ユベの主力選手になってもくれた(笑)。

 

しかししかし、リーグ戦の主役に躍り出たのはナポリだった。ボクが当時見ていた頃はリーグ連覇でさえ難しい時代であり、ユベントス、ミラン、インテルが常に優勝争いを演じていて、ナポリと言えばそれこそ「優勝もしないけど降格もしない、中位の常連」の位置づけだった。だから、他のユベンティーノの方が「今シーズンも最大のライバルはナポリ」と口を揃えていたのには驚いたが、実際にサッリ・ナポリのサッカーを見てみて納得した。コンパクトなスキルフルなサッカーを展開していて、それこそリーグ首位に価するサッカーを魅せていた。

 

 

 

チャンピオンズ・リーグ

久し振りに見る大舞台はバルセロナとのアウェイゲームで開幕したが、圧倒的な実力差を目の当たりにして3対0の完敗となった。「これでは絶対に優勝はできない」と感じたが、幸いなことに予選ラウンドは4チーム中で2位までに入れば決勝トーナメント進出のレギュレーションは当時と変わっていなかった。

 

 

「得意の2位通過」

 

 

すぐにこの言葉が頭をよぎった。

「予選が終わる頃までにチームを立て直しておけばいい」。アッレグリがどんな監督かも分からなかったけど、これまでユベントスを見てきた経験値からなぜか自信はあったし、そして最後にはそれは確信に変わった。ボクが見ていなかった8年の時を経ても、ユベントスの伝統は変わっていなかった。

 

 

 

シーズン中盤

シーズンも中盤に差し掛かると、ディフェンスラインに不安要素はあったもののユベントスは安定感を見せてきた。リーグ、コッパ、チャンピオンズリーグの3つの大会を並行して戦っていたが、アッレグリは一部の選手だけに負荷をかけることなく、うまくターンオーバーを掛けながら采配を揮っていた。

そして、この頃になると開幕当初は名前と顔が一致しなかった選手たちの特徴も分かるようになり、個別にも愛情を注ぐようになってきた。ディバラの脆さ、イグアインの勝負強さ、マンジュキッチの戦う姿勢、ケディラの前線への飛び出し、選手個々の特徴を踏まえながら試合を観戦する事により楽しさは増していき、そしてチームへの想いもまた昔と同じように戻って来た。

 

そんなユベントスの中において、異彩を放つ男がひとりだけいた。

 

 

 

ステファーノ・ストゥラーロ

 

この風貌に労を惜しまないプレースタイルにボクは魅了されていった。

少し見ていない期間はあったものの、ボクが知る限りではユベントスにおいてこの手のタイプの選手は見た事がない。正確に言えば、ハードワーカーはデシャンやダビッツ、それこそネドヴェドなど多数在籍していたが、これほどまでに足元の技術がなかった選手はいなかった。しかし、確かに足元は覚束ないものの、これらの名選手に負けず劣らずの戦うハートを持ち合わせているのは間違いないし、その気持ちの入ったプレー(と風貌)はボクを虜にした。

各所で同じユベンティーノがストゥラーロの事を悪く言っているのを見る事があるが、ボクはストゥラーロが大好きだ。CLレアル・マドリー戦でベナティアがPKを取られた際、副審に詰め寄る姿を目にした事があると思うが、世界のプロサッカーチームで、あれだけ必死になってベンチメンバーが抗議している場面を見る事が出来るだろうか。彼もピッチ内の選手同様に戦っていたのだ。

 

ストゥラーロに関しては色々な意見があるとは思うが、ボクは彼こそがユベントスにふさわしい選手だと思っている。

 

 

 

シーズン終盤(CL)

全ての大会で優勝が狙える立ち位置ではあったが、最大のピンチが訪れた。CL決勝トーナメント1回戦ホームのトッテナム戦を2点先制しながらも追いつかれ同点にされた後、アウェイの地ウェンブリーに乗り込むことになったのだ。初戦の結果から「勝利または3対3以上の引き分け」が条件になったが、前半終了前にソン・フンミンに先制点を許し絶体絶命の状況に追い込まれた。この時点で少なくともユベントスは2点以上取る必要があったが、ユベントスと言う名の意地のもと、それをやってのけた。エースのイグアインと背番号10のディバラが決めて、大逆転勝利を収めた。この試合を見た後「やっぱりチャンピオンズリーグは熱い」と思った事を覚えている。

 

 

 

 

しかし、その後もすぐにピンチはやってきた。CL決勝トーナメント2回戦。ホームでレアル・マドリーを迎えた一戦は、ロナウドの活躍などもありまさかの0対3で敗退。3点のビハインドを背負ってマドリーの地に降りる事になった。

 

 

Game is over

 

 

試合前から各所でこう揶揄された試合は、時間が経過すると共に「Game is still continued」となっていった。ディバラを出場停止で欠いた事もあり4-3-3の布陣で臨んだユベントスは、左ウィングに入ったマンジュキッチの2ゴールにより2試合トータルで1点差まで追い上げると、後半15分にはレアルGKナバスのミスをマトゥイーディが見逃さずに同点弾を決めて3対3のイーブンに持ち込んだ。そして運命の後半ロスタイム……

 

 

 

このブッフォンへのレッドカードと共に、2017-18シーズンのチャンピオンズリーグが幕を閉じた。ベナティアのファールに関しても、ブッフォンへのレッドカードに関しても、交代カードを切る事の出来なかったアッレグリに関しても、何も思い残す事はない。それくらいユベントスの誇りを胸に刻んだ素晴らしい試合だった。

残念ながら「チャンピオンズリーグ優勝」と言う記録を残す事は出来なかったが、間違いなくユベンティーノの「記憶」には残った試合になったと思う。そして、このシーンはブッフォンのユベントスでのラストプレイになった。

 

 

 

シーズン終盤(Serie A & Coppa)

リーグ戦首位に躍り出たユベントスは一時は2位のナポリに勝点差6をつけたものの、ホームでの直接対決にも敗れた事により、一気にその差を1まで縮められてしまった。この6シーズンを見ていたユベンティーノにとっては、スクデットに慣れてしまった方もいるとは思うが、なにぶんボクにとっては2005-2006シーズン以来のスクデットであり、インテル戦、ボローニャ戦は固唾をのんで観戦していた。

 

 

 

 

リーグ戦と並行して進んだコッパ・イタリアだったが、この大会もユベントスは順調に勝ち進んだ。以前ボクが見ていた頃は、コッパと言えばベンチ要員に出場機会を与える大会だったのだが、今シーズンを見ていた限りでは純粋にタイトルを狙いに行く大会になっていたと思う。もちろんメンバーのやり繰りなどはあったと思うが、それだけにボク自身もこのタイトルに賭ける想いが強くなっていった。そして決勝の相手はACミラン。ここ数シーズンは低迷していると聞いていたし、実際に今シーズンもモンテッラ監督を途中で解任するなどパッとはしなかった。それでも闘将ガットゥーゾに監督が代わって息を吹き返してきたのは明らかだったし、なによりもボクの中で「ミランはミラン」だった。相手にとって不足はない。非常に楽しみな決勝戦となった。

 

 

 

エピローグ

そして2017-18シーズン。ユベントスはチャンピオンズリーグ優勝は逃したものの、前人未踏のコッパ・イタリア4連覇、セリエA7連覇を成し遂げた。アッレグリがシーズン開幕当初から「最大の目標はリーグ優勝」と口にしていた事もあるが、3つのコンペティションを戦いその中の2つを手にしたのだから、非常に充実したシーズンだったと言えるのではないであろうか。

 

今シーズン終了後には、すでにアサモアとリヒトシュタイナーの退団が決まっており、そして主将を務めていたブッフォンが退団または引退となる。これに加えて移籍も見込まれておりチームも来シーズンは新しい装いと共に再スタートを切る事だろう。中でもブッフォンと言う精神的支柱を失う事により、チームの色ががらりと変わる可能性はあるが、それでもキエッリーニやマルキジオがチームを支え、真のエースと成長すべくディバラがチームを引っ張って行ってくれると信じている。そして、新しく加入する選手たちもユベントスの誇りを胸に戦ってくれるに違いない。

 

 

 

8年ぶりに応援したユベントスは新鮮でありながらも懐かしく、時にはボクを10年前、20年前にタイムスリップさせてくれた。そして、何よりもボクの人生をまたも白と黒で鮮やかに彩ってくれた。

 

選手の入れ替わりは悲しいけれど、それを繰り返して伝統と誇りを守り続けたのがユベントスと言うチームであり、また来シーズンもそれが引き継がれる事だろう。そして、その中にボクも「応援」と言う部分だけになるが、関わらせてもらえることに感謝の念を無くしてならない。

 

 

 

昔から知っている仲間も、今シーズンから仲間になった選手たちも、来シーズンどうなっているかはまだ分からないけど、どこにいようが今シーズン戦ったメンバーたちは一生の仲間である事は間違いない。

 

 

 

See you again!

 

 

 

また、来シーズンもどこかでみんなに会える事を楽しみに、この言葉で今シーズンを締めくくる事にしよう。


(記事終わり)


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