トゥドール体制でユベントスが変貌、横パス排除の“縦志向”で復調の兆し
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クラブ復帰からわずか1ヶ月足らず──それでもイゴール・トゥドールの存在感はユベントスに確実に根を下ろしつつある。チームは新指揮官の下で3試合を消化し、内容・結果ともにポジティブな変化が見え始めている。
トゥドールは選手時代の大半をトリノで過ごし、2020-21シーズンにはアンドレア・ピルロのアシスタントコーチも務めた“古巣を知り尽くした男”。クラブが先月、ティアゴ・モッタとの決別を決断した後、経営陣が“失われたユベントスの魂”を取り戻すために選んだのがこのクロアチア人指揮官だった。
実際、チームの反応は迅速だった。内部の報道によれば、モッタ前監督はロッカールームでの支持を十分に得られていなかったとされるが、トゥドールの就任によって“コンティナッサの空気”は一変。雰囲気面の改善に加え、戦術面でも大胆な刷新が行われている。
“横パス禁止”を象徴する縦志向の攻撃
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、トゥドールは就任直後から「横パス」という言葉そのものを排除したという。ティアゴ・モッタ政権下では、安全重視の横方向のパスが多く、前進に苦しむ場面が続出。サポーターの不満を買っていた。
だが、現在のユベントスはボール保持にこだわることなく、より縦に速いアプローチで攻撃を仕掛けている。これが明確に表れたのが先日のレッチェ戦の2得点だ。加えて、2週間前のジェノア戦でケナン・ユルディスが決めた決勝ゴールも、トゥドール体制の“縦志向”を象徴するプレーだった。
勝ち点7/9、復調へ向けて着実に前進
復活への道のりはまだ始まったばかりだが、少なくともトゥドール就任以降の3試合でユベントスは勝ち点7を積み上げている。ジェノア、レッチェとの接戦を制し、好調ローマとのオリンピコでのアウェイ戦も1-1で引き分け。守備の安定感を保ちつつ、攻撃面では確かな変化が見え始めた。
トゥドールという“クラブの記憶”を持つ人物が再びユニフォームにスピリットを吹き込んでいる。低迷期からの脱出を目指すビアンコネリにとって、確かな第一歩となったことは間違いない。