モッタ、CL初の屈辱 ── ユベントスに突きつけられた最大の課題とは…
Max Statman
試合後の記者会見でのチアゴ・モッタの表情がすべてを物語っていた。落胆し、力なく、思考に沈む姿——これが彼にとって初めてのチャンピオンズリーグ敗退だった。痛みを伴う瞬間であり、その苦さは計り知れない。
自身のビジョン、戦術、そしてユベントスのために選んだ選手たち。すべてがひとつの壮大なプランだったはずだ。しかし、結果は伴わなかった。モッタ自身も「95分間戦い続けることができなかった」と敗北を認めている。この言葉が、今のユベントスを象徴している。
PSV戦の敗北は、今季のクラブの期待値を大きく変えるものとなった。数日前まで4連勝で勢いに乗っていたモッタは、今や厳しい視線にさらされている。グループステージでの直接突破を逃し、第2戦でも有利な状況を生かせなかったことで、疑問の声が高まる。
このユベントスは、まだ完成には程遠い。若く、才能に溢れたチームではあるが、決定的な何かが欠けている。モッタの守備戦術にも疑問が投げかけられている。前半の安定感を評価する声もある一方で、後半の崩壊を見過ごせないという意見も少なくない。果たして、この敗戦を「経験不足」の一言で片付けるべきなのか。
交代選手について問われたモッタは率直だった。「期待していたか?もちろん、もっと期待していた」と語る。采配は奏功せず、試合運びにも課題が残った。
ドゥシャン・ヴラホヴィッチは決定的なゴールにあと一歩届かず、ケナン・ユルディスは存在感を示せず、ケフレン・テュラムは輝きを放った瞬間もあったが、持続しなかった。
この敗退が突きつけた最大の課題は、ユベントスがクラブとして成長しなければならないという現実だ。選手、指導陣、フロントを含め、すべてのレベルで前進が求められる。今のユベントスに必要なのは、この挫折を乗り越える忍耐と覚悟だ。