【さいちゃの目】22-23夏の補強採点



こんばんは、プレミアリーグばりに湯水のごとく移籍金が出せるリーグに成長してほしいと願うさいちゃです。

さて、今回は夏の市場を評価していこうと思います。お金が無くセリエの全クラブが苦しむ中、ユベントスフロントはどう立ち回ったのか振り返っていきます。もちろん、移籍市場のきちんとした評価はシーズンの終わりに確定するってことだけはお忘れなく(あくまで現時点での感想だよ)。あ、移籍選手一覧をWeb上でご覧になりながら本記事を読んでください(書いてる途中で心折れました)。キエーザの買取とか、若手選手のレンタルとかはめんどくさいので、主にトップチームの試合に出ていた(出そうな?)選手に絞ってまとめていきます。

 

一応、市場開幕前の補強ポイントは下記に挙げてあります。

 

 

 

 

高評価ポイント

高年俸な選手を放出 

パラティッチによる拡大路線がコロナ禍で頓挫し、まずは高年俸な選手を放出することを目指したユベントス。ファンからの支持が厚くチームの顔だったディバラを容赦なく切り(しかも契約延長の約束を反故にする鬼畜プレー)、ベルナルデスキも年俸アップは許容できないとフリーで放出。極めつけはCBの軸であったデリフトの売却でしょう。キエッロも抜け、絶対に外せなかった選手ですら年俸を抑えるために売却したのは正直驚きました。大型入札とブレーメルを強奪する猶予が無ければ実現しなかったでしょう(バイエルン、インテルほんとありがとう)。

あ、しれっとラムジーも契約解除されています。これでチームの支出の大部分を占める年俸面を抑える意思を示したのには成功しました。今後は年俸以外の面でメガクラブに対抗できる魅力を出せるかが課題になってきます。

 

 

歪な中盤構成の再構築 

ユベントスの中盤構成は、マテュイディ、ケディラ、ピャニッチの退団以降は同じタイプばかりが存在するというかなり歪な構成になっていました。厳密には若干の違いはありますが、わかりやすく表現すると「3センターにおいて重心が低いセンターハーフ」です。アンカーではありません。長距離パスのあるロカテッリ、守備と運びのできるラビオ、ショートパサーのアルトゥール、ボールハンターのザカリア。全員がボールの出し手になることを好み、前線へのフリーランやFWのサポート、崩しのパスを持ち合わせていません。そりゃ唯一のBox to Boxタイプのマッケニーが離脱したらみんなアンカーと同じ高さで足元へのパスしか出さない中盤が出来上がります。

そこで今季の市場ではこの歪な中盤の構成にメスをいれました。崩しに関与することができるMFとしてポグバを呼び戻し、ライン間でボールを引き出す動きの得意なミレッティをシーズンフル帯同させることを選択。さらに本職のいなかったアンカーに(典型的なアンカーではないとは言え)パレデスを獲得。3センターでは持ち味の出せなかったザカリアや、アンカーをやらされたりとアッレグリ(&セリエ)と相性の悪かったアルトゥールを放出し、かなり構成をまともにすることができました。放出した2人も歪だった構成の犠牲者であったと言えるので、移籍先では活躍してくれることを願います(そして買い取ってくれ、頼むぜプレミアリーグ)。

 

 

監督のやりたい布陣(4-3-3)に合わせた選手の入れ替え 

監督の志向するサッカーに合わせた補強を行うのはチーム作りの基本。3トップを採用する以上ディバラの居場所は無く、モラタはWGに置くと崩しで貢献できるタイプではありませんでした。前項で述べたザカリアについても、獲得時唯一の懸念点であった”ダブルボランチ専用機”を克服できず。ラビオが右で機能することが判明した以上、移籍は避けられませんでした(チェルシーはあうんじゃね?)。そのため、上記の4-3-3に合わない選手は放出し(無理に買い取らない)、より3センター3トップに合う選手を取りに行く姿勢は好印象。ポグバは前述の通り崩しを担える大型MFですし、ディ・マリアは守備にも走れるワールドクラスのチャンスメイカーです。無理なく4-3-3に組み込める分、昨季以上の守備力を確保しながら攻撃面が上昇すると感じています(二人とも怪我が心配ですが…)。ミリクにしても、ウイングは兼任づらいですがモラタよりも3トップのCF適性が高く、ブラホの控えとしてはうってつけです(タイプが異なるのもいい)。

 

 

 

 

解決できなかった課題

サイドバック問題(特に左) 

壊滅的なSBに手を入れなかったのは正直厳しい。左のサンドロ・デシリオ・ペッレグリー二はレギュラーに据えるには安定性に欠けるし(コスティッチを召喚するためにペッレグリーニはレンタル放出)、右のダニーロも純粋なSBとして計算するには攻撃がいまいち。キエーザが戻り次第、クアドラードはSBにする?噂のあったモリーナ、ウドジェといったセリエで実績のある若手SBを国外に引き抜かれたのが余計にダメージを加速させます。せめてもの救いはカンビアーゾを確保できたこと。早期確保のために今季はレンタルを飲まなければいけませんでしたが、来季以降戦力として活躍してくれることを期待します。今季は我慢や…

 

純粋なアンカーの不在 

いつになったらアッレグリは本職アンカーをプレゼントしてもらえるのでしょうか。コンバートされる選手ももったいないと感じます。アンカーとしてパレデスを抑えたのは良いですが、彼はゲームメイクを得意とするタイプではなく、裏や逆サイドにガンガンスルーパスを送るタイプです。ボールを引き出したりする動きはそこまでな印象。ロカテッリも若干そっちの気があるので、ゲームメイクタイプを取ってほしかったというのが本音ではあります…。それでもフランスのフィジカルに揉まれてきたパレデスなら、多少の計算はできるはず。セリエだし。でもってロヴェッラを放出したのが個人的に許せない(笑)。推しなので期待していたってのもありますが、ボールを引き出す動きや、長短のパスを散らせる特徴は、ユベントスの中で最もゲームメイク型アンカーに近いものがありました(動きすぎなとこもあるけど)。1800万€(+2000万€のボーナス)で獲得した期待の新人が戦力になる日は来るのでしょうか。こちらも今季は我慢になりそうですね…

 

チャンスメイク型左WGの補強 

左サイドの攻撃が上手くいってない理由の一つに、本職左WGが存在せず、CFを置いて凌いでいたということが挙げられます。彼らは使われてなんぼの選手なので、自分から攻撃にアクセントを加えるというのは不得意な選手ばかりでした。ここにビルドアップや崩しに関われる選手を獲得したかったのですがラスパドーリは高かったし、デパイは年俸を吹っかけてきたので敬遠。結局、今年も左サイドのスペシャリストは不在ということになりました。本職キエーザを左WGとして計算してるのかなあ…(右が本職だしどっちかというとストライカー型だけどなあ)。右サイドにディ・マリアがいるので、右で作って左で仕留める形を作れるのであれば多少は穴が目立たなくなるかもしれません。一応、クロッサーとしてコスティッチを獲得したものの、彼はWBが本職なので、4-3-3へのフィットには時間がかかりそう。単純にクロッサーとして計算するか、3バックのオプションが作れる程度と考えて長い目で見守りましょう。セリエに適応し、徐々に連携が高められることを期待します。

 

 

 

 

まとめ

以上が今夏の補強に関する私の感想・評価になります。「支出(年俸)を抑制し、中盤の歪を解消し、4-3-3に適した陣容にする。」解決できなかった課題も残りましたが、概ねうまくいった市場になったのではないでしょうか。今季は怪我人の復帰を待ちながらじっくりチームの基盤を固め、ウィークポイントに若手選手が帰ってくる来季になると一気におもしろくなりそうです。

こんなテイストで今季も記事を書いていくつもりなので、よろしくお願いします。陣容も確定したので、近いうちに戦力評価もやってみたいと思います。今回の補強評価と併せて楽しめるものにできればいいな…

 

では。

 

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