月ユベ執筆チームに「サッリ解任劇」はこう映った!




リヨン戦敗退後、突如として解任の噂が立ち、その数時間後には正式に解任する事が発表されたサッリ。この今回の監督交代劇に関して、月ユベ執筆チームは何を感じたのか。

この記事をご覧頂いている皆さんの思いをシンクロさせながら、どうぞお楽しみ下さい。

 


 

kassi

フロントのジャッジは支持したい

「是」

意外に思われたかもしれないが、サッリ監督の解任は理解できる。

私が今までサッリを擁護していたのはあくまで「1ファン」としての意見。今シーズン、サッリが就任したチームは収穫もあったが弱点も多く、相手にしてみれば攻略し易いチームだったた事は紛れもない事実。2年目以降、チームが良くなる根拠は客観的に見れば多くはなく、アニェッリがプロとして(冷徹ではあるが)今シーズンの結果と内容をジャッジした事は支持したい。

後任はまさかのアンドレア・ピルロ。
ピルロの就任については実際に指揮を執る様子はおろか、何も情報がないのでコメントは差し控えたい。
思えば9連覇の始まりとなったコンテ就任の際も不安の声は耐えなかったが、当時コンテの就任を決めたのもアニェッリ会長だった。今回もアンドレア・アニェッリ会長の決断を信じるのみだ。

最後に1ファンとして、サッリ監督と彼にとって初めてのスクデットを獲得出来た事はこの上ない喜びである。2年目の彼のチームを見てみたかった気持ちは今でも強い。

1年間お疲れ様でした。

 

 

タカオ店長

イメージ戦略上の理由が最大の要因

「是」

「リヨン戦の結果を受けての解任」と世間では言われているが、そうではないと思う。恐らく、今シーズンの結果と内容だけで判断されたものではなく、将来的に見て来シーズンも任せられるだけの信頼を得られなかったのでしょう。

我々ファンの目に見える部分では何と言っても試合内容。

昨年までの組織だった守備は見る影もなく、個人の能力頼み(皮肉にもそれによってデリフトは独り立ちした)。攻撃面に関しても、期待された美しいサッカーの完成は程遠く、時々その片鱗を見せるのみ。そしてメディア対応。言い逃れにも似たコメントが多く、「ユベントスの監督がそれを言うか?」と思わせることも少なくなかった。

恐らくは、選手との関係もあまりよくはなかったであろうことは、目に見える部分からも想像に難くない。そしてなにより、このような監督像が『ブランディング化』を急ぐユベントスのアイコンとして相応しくない、というイメージ戦略上の理由が、続投に繋がらなかった最大の要因なのではないかと推測する。

 

 

さいちゃ

是と非、両面を持ち合わせる

今季の成績に関しては、監督と言うよりはフロントの過失が大きい。上層部主導でポゼッション型チームに舵を切ったにもかかわらず、技術志向の補強を行わなかった。そんな中1シーズンで監督を切るのはどう考えてもフロントの失態だ。グアルディオラ(シティ)でさえ初年度は3位で無冠、クロップ(リバプール)も7位、4位と苦しんで今がある。つまり、チームを根底から変えようとするのであれば、それなりの時間と確かな支援が必要である。サッリにとっては不幸としか言う他ない。

そして来季は監督経験の全くないピルロを招聘したわけだが、この一連の監督人事の是非についてはピルロ次第で2通りの評価の仕方があると思われる。

“ポゼッション型の継続”であれば「非」。スタイルを変えないのであればサッリ継続で問題ないし、スクデット獲得、コッパ準優勝、CL16強を達成した監督を降板するのはどう考えてもおかしいだろう。“別のスタイルに変更”であれば「是」だ。フロントがこの1年のチャレンジを失敗と認め、ピルロ新監督の志向する戦術を理解した上で支援を行うのであれば評価できる。オフシーズンのフロントの動きに注目したい。

最後に、「9連覇、CL制覇目ざしながら、スタイルを転換する」という最難関ミッションに挑んだサッリには感謝しかない。1シーズン、本当にお疲れ様でした。

 

 

nayumo

役割の違いは明らかだ

「否」

基本的にフロントの行く方向性は背中を押したい派ではあるのだが、今回の決断は批判的にならざるをえない。理由は2つでサッリにはもう1年時間をあげたかった事と、ピルロが監督未経験という点だ。

就任当初からサッリに時間がかかることはわかってたことであり、守備戦術に関してはアッレグリとは真逆の戦術であったため1年で表現するのは難しいと思っていた。もちろん「時間がかかると言っても流石に形が見えなすぎだろ」と言う意見もわかる。それでもサッリと歩むと決めたのであれば少なくとも1年半ぐらいは見守って欲しかった。

そしてもう一つ、アンドレア・ピルロの指導経験がないことだ。

言わずと知れたレジェンドの戦術眼は疑う余地もない。だがあくまで監督という職業は「ピッチの中で体現する」のではなく「ピッチの外で選手に体現させる」のである。役割の違いは明らかだ。

もちろんピルロなら軽くクリアしてくれそうな問題でもあるが、「ユベントスを理解しきっているレジェンド」だからこそU23の監督で経験を積ませてあげたかった。他チームでもペップやジダンも下部組織を指揮をしてトップチームに行ってる。前例がないから否定しているわけでなく、レジェンドだからこそ大切にして欲しかったのだ。

この2つから今回の決断には否定的だが、こんなことをフロントは十分理解していると思う。

ではなぜフロントはこの決断をしたのだろうと考えてみたら1つの仮説ができた。それはピルロが上の2つの理由をひっくり返すぐらい、面白くワクワクするようなアイデアを提示して、フロントがそれを実現可能と判断した。だからこそ起こった電撃解任&電撃就任なのではないかと思う。

よって否定的ではあるが、来シーズンへの楽しみはなお一層増した決断だ。

 

 

編集長ミツ

これでいいのか

昨日はあまりのショックに言葉を失い、そして冷静さの欠いた状態だった為に、解任発表当日は必要以上に言葉を発する事を控えた程です。(今は落ち着いています)

サッリの「好き、嫌い」ではなく、ユベントスと言うチームとボクが向き合った時に、「これでいいのか」と言う思いがこみ上げてきました。昨シーズンは国内リーグ5連覇を遂げたアッレグリと決別し、そして今シーズンは同じくスクデットを獲得したサッリを解任。「もはやスクデットには何の意味も持たないのか」、サッリ解任が発表された日の夜は、自分自身が最も価値があると感じているものを、蔑ろ(ないがしろ)にされている気がしてなりませんでした。

正直に言えば、フロントに対しては「不信感」しか持ち合わせていません。例えピルロがチャンピオンズリーグを獲得したとしても、それが全て払拭する事はないでしょう。

 

 

 

最後までお読み頂き有難うございました。

衝撃とも言えたサッリ解任劇は、みなさんの目にはどう映り、そしてどのように受け止めたでしょうか?ユベントス会議室では多くの意見が届けられていますので、もし興味がありましたら覗いてみて下さい。また、各ライターのTwitterをフォロー頂き、その後の意見交換なども図って頂けると幸いです。

(Twitter :kassiタカオ店長さいちゃnayumo編集長ミツ