月ユベ執筆チームが振り返る「2019-20シーズンのセリエA」




長い長いトンネルを潜り抜けて辿り着いたセリエA最終節、そしてスクデット獲得。この特別な一年は月ユベ執筆チームの目にはどう映ったのか。この記事をご覧頂いている皆さんの思いをシンクロさせながら、どうぞお楽しみ下さい。

 


kassi

際立ったセンターラインの強さ

まだCLが残っているが、とにかく無事にリーグ戦を終えられた事に安堵。その上で、スクデット獲得という最高の結果を残してくれたチームに感謝したい。

19-20シーズンはとにかくいろいろな事があってきちんとした評価を下すのは難しいが、まずはポジティブな収穫から。

以前も述べたがディバラとロナウドという2大スターの共存に目処が立った事。デリフトやデミラルの台頭によりBBC以降のDFの柱が出来た事。ベンタンクールやラビオが期待以上のパフォーマンスを発揮した事を挙げたい。強いチームは何よりセンターラインが強い(しかも若い)、そう言う意味では来シーズン以降に向けて骨格が整ったシーズンと言えるだろう。

一方で課題も目立った。私が1番気になったのはいわゆる負けパターンが目立ってしまった事だ。具体的には後方にブロックを固めた相手を崩せない。さらに前線からのプレスが緩く相手のアンカーにゲームを作られて守備が機能不全に陥る、という2点だ。

しかし、課題はすなわち伸び代だとポジティブに捉えたい。先程述べた骨格が固まったチームに、アルトゥールやクルゼフスキといった才能溢れる若手が加わる2年目以降のサッリのチームは素直に楽しみだ。

 

 

タカオ店長

これぞユベントス

『コロナによる中断』という難しい状況を乗り越えて見事9連覇を成し遂げたチームに対して、先ずは「お見事」と伝えたい。

今シーズンのセリエA、ユベントスは主役ではなかったと思う。序盤戦の主役はコンテ率いるインテル。シンプルであり、また既に『コンテ式』として欧州で周知されているスタイルは、それだけにチームへの浸透・仕上がりも早くスタートダッシュに成功した。しかし対策されるのも早くシーズン中盤以降に苦戦を強いられ、スクテッド争いからはやや遅れを取ってしまい、終盤の猛追も勝点1届かなかった。

中盤以降の主役はラツィオとアタランタ。シモーネ体制4年目のチームの完成度は高く、コロナによる中断と過密日程がなければスクテッドはラツィオのものになっていたのではないかと個人的には思う。そしてなんと言っても今季のセリエAベストチームはアタランタ。こういうチームが定期的に現れるのもセリエAの楽しみである。終盤戦のミランも意地を見せたが、それゆえにラングニック招聘を見送るというクラブ再建からまた遠ざかる、皮肉な決断を下す事に…。

他にもミハイロヴィッチのボローニャや、デゼルビのサッスオーロなど魅力的なサッカーを魅せるチームが増えてきたことは、セリエAの繁栄に繋がるので素直に歓迎したい。

翻ってユーベである。細かいことは割愛するが、なかなかチーム作りが思うように進まず、上記のような完成度高まるライバルクラブを相手にデッドヒートを繰り広げ、最終的には退ける。「これこそユベントスである」と私は胸を張りたい。誇らしいスクテッドである。

 

 

さいちゃ

ライバル相手に負け越さなかった事が結果に直結した

コンテ~アッレグリによる黄金期を終え、新しいスタートを切ったサッリユーベ。実はと言うと、私は開幕前に3位予想をしていたし、それでもいいと思っていた。しかし変革期の中でも無冠に終わらず、スクデットを獲得したことは来季に繋がる大きな価値があると思われる。

スーペルコッパ、コッパ・イタリア、CLと一発勝負における脆さは露呈したものの、この3戦は素直に相手チームを讃えるべきだと感じる。それほど3チームの完成度は高かった。それでもリーグ戦というマラソンの中では勝負強さを発揮。ライバル相手に負け越さなかったことが9連覇という結果になった。

クラブの根底から変化を求めているフロント、戦術浸透もままならぬ間に中断期間を挟む不運に見舞われたサッリ、そして最後まで勝利を求めてプレーした選手達。裏方のスタッフも含めて全員に拍手を送りたい。

ユーベとは話が逸れるが、近年稀に見る混戦を終え、ついにセリエに健全な競争関係が戻ってきたと感じる。イタリア復権に向け、更に過激な優勝争いが観れる来季を期待したい。CL、EL共に頑張りましょう。

 

 

Kan

手放しで初タイトルを祝いたい

ユベントスのホームスタジアム、アリアンツでのローマ戦を最後に、長かった2019-20シーズンのカンピオナートは幕を閉じた。欲を言えば勝利によるホームでの無敗継続と、来季からバルセロナへと活躍の場を移す僕のアイドルでもあるミラレム・ピャニッチの雄姿を見たかったが、それはチャンピオンズリーグへとお預けだ。

タイトル獲得が危ぶまれた今季ではあったものの、9季連続でのスクデット獲得を果たせたことは何よりも素晴らしい。サッリ監督の志向するサッカーは未完成かもしれないが、今は手放しで彼の初タイトルを祝いたい。

今季の収穫はディバラが偽9番のポジションに確固たる居場所を見つけたことと新戦力の適応、そしてベンタンクールの覚醒だろう。開幕直後は燻っていた10番だったが徐々に出場機会を得て、CLのアトレティコ戦やホームでのインテル戦などで数々の重要なゴールを挙げた。

新戦力においてもデ・リフトは守備の要と呼べるまで成長を遂げ、デミラルは長期離脱があったもののその気迫あふれるプレーで一時はスタメンの座を奪った。ダニーロは左右のサイドバックのポジションで安定感のあるプレーを披露し(特に中断明けからは欠かせない存在であった)、ラビオも前半戦は試合勘の欠如からか低調なパフォーマンスにとどまっていたが、リーグ再開後は出場機会を得ると本領を発揮し、スタメンに並ぶようになった。ラムジーはケガによる離脱も目立ったものの、出場時には現スカッドにおける唯一無二のプレーで攻撃を牽引した。ベンタンクールはケディラの長期離脱を補って余りあるほどの飛躍を魅せ、真のワールドクラスに向けて残すところは得点力ぐらいのものだろう。

次の土曜日にはCLが帰ってくる。この舞台で今のユベントスはどれほど躍動できるのか。ピャニッチのラストダンスを目に焼き付けることを誓って、最高の週末を迎えたい。

 

 

編集長ミツ

伝えたい言葉は「ありがとう」

これまで何シーズンも見てきた中で、忘れる事ができない一年になる事は間違いない。そしてそれは「9連覇」が要因ではなく、言わずもがな「コロナ禍において苦しい時間を過ごした事」が挙げられる。

急遽、観客を入れる事を止められたインテル戦以降、実に3ヵ月以上もカルチョだけではなく、ユベントスと言うチームそのもののがストップする事になった訳だが、ファンみなの気持ちがユベントスから離れ、その中でも「自分はユベントスから離れない」「コロナには負けない」と半ば意固地になってブログを更新していた日々を覚えている。

そしてカルチョ再開。

結果としてユベントスはボク達にスクデットを届けてくれたけれど、それ以上につらく続く非日常を、また白と黒で彩ってくれた事の方が嬉しかった。今シーズン一番伝えたい言葉は「おめでとう」ではなく「ありがとう」だ。

 

 

最後までお読み頂き有難うございました。

今回はコメント欄を開放しておりますので、上記執筆チームに対してでも構いませんし、ご自身のご意見でも構いません。ひと言ふた言でもお寄せ頂けると幸いです(執筆チーム誰かしらからレスさせて頂きます)。

 


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