【Kan察眼】ユベントス 「新キャプテン」構想



今回は月ユベ執筆チームからKanさんの寄稿となります。鋭い観察眼からの記事をお楽しみ下さい。

 


ユベントス 「新キャプテン」構想

 

こんにちは、Kan です。

先日、ジジ・ブッフォンとジョルジョ・キエッリーニという2人のバンディエラの来季終了までの契約更新が発表されました。それはユベンティーニにとっては吉報であったと同時に、「現実的な」1年間の契約更新は彼らの現役引退がすぐそこに迫っていることを暗に示す報せでもあったでしょう。

 

 

 

 

では、現キャプテンであるキエッリーニの引退を考えた際に真っ先に浮上する問題の「新キャプテン」を誰にするか。その候補について僕のTwitterで行った投票も参考に考察していこうと思います。

 

投票結果は以下の通り。

 

 

第一候補 レオナルド・ボヌッチ

今シーズン序盤でキャプテンのキエッリーニが長期離脱を強いられたことにより、今季はほぼ全ての試合でキャプテンマークを巻いているこの男。CBとしての実力、とりわけそのフィード能力に関しては世界トップレベルであることに疑いの余地はありません。また、今季でユベントスでの在籍年数は(2017-18シーズンのミランへの家出をはさみつつも)合計で9年目を数えます。ユベントスではキャプテンの基準に在籍年数が重要視されていることを鑑みても9年という数字は申し分なく、彼自身も求められるキャプテン像というのも理解しているでしょう。

また、今季のチャンピオンズリーグ・グループステージ第1節のアウェイでのアトレティコ・マドリード戦の前半終了時点で苛立ちを隠せずにいたクアドラードをなだめ、ピッチ上での言い争いを未然に防いだという出来事がありました。そして後半3分にクアドラードは美しい先制ゴールを叩き込んでいます。代理ではありながらもチーム内の協調性を保ち、アトレティコという難敵を相手に内側から崩れさせないというキャプテンとしての役割を果たしたといえるでしょう。

しかし、ネックとなるのはやはりその33歳という年齢。長期的なスパンでのチーム作りを考えた際には適任とは言えません。数年後にはまた新たなキャプテンを選出する必要が出てきます。キエッリーニの復帰も近いとされていますがそれまでの、あるいは彼の欠場時の代理キャプテンというところが精一杯でしょう。

 

 

第二候補 パウロ・ディバラ

今季で在籍5年目を迎え、背番号10も板についてきた”La Joya”。昨季も試合途中から何度かキャプテンを務める機会もありました。彼の選手としての実力は紛れもなくワールドクラスであり、人気やクラブへの忠誠心、26歳という年齢を考えても新キャプテンには最適であると言えます。前述のアンケートでも最多の46%の票を獲得しており、ファンとしてもディバラを新キャプテンにという気持ちが感じられます。

 

では、キャプテンとしての資質はあるのか?加入当初のディバラはまだ21歳と若く、ベテランが多数在籍していたチーム内では「弟」のような存在であり、まだまだ未熟さが残る選手であったのに対して、最近は替えのきかない攻撃の中心としての地位を確立し、ユベントスの顔として大きく成長を遂げました。稀代のファンタジスタであり、長くユベントスの10番を背負って偉大なバンディエラとして活躍を続けたアレッサンドロ・デルピエロに重なるところもあるのではないでしょうか。ディバラとデルピエロとの親交は深く、SNSなどでも仲睦まじい姿をみられます。彼はデルピエロへの憧れも度々口にしていますし、本人も10番に加えてキャプテンという重責を背負う覚悟は十分にあるでしょう。近々彼との契約延長を目指しているクラブとしても彼をキャプテンとして据えることは1つのプランとしてあると考えます。

 

 

第三候補 マタイス・デ・リフト

ユベントス加入1年目ながら、前述したキエッリーニの長期離脱により多くの出場機会を得ることになり、大きく成長を遂げまるでベテランのような素晴らしい活躍を魅せる背番号4。昨季のCLでユベントスはアヤックスに2戦合計2対3で敗れましたが、その決勝点となった3点目を奪ったのが他でもないデ・リフト。若手中心のチームの中で19歳ながらキャプテンマークを巻き、アヤックスをベスト4へと導く立役者となりました。彼は17歳でプロデビューを果たし、18歳からはスタメンの座を譲らず活躍を続けています。これほどの経験値を持つ20歳のプレーヤーは他に類を見ません。キャプテンの経験もあり、ユベントスの守備を支えるCBとしての実力も申し分なく、数年後には世界最高峰まで昇り詰める事でしょう。

 

ですが、ユベントスのキャプテンとなると話は変わります。フロントの意向はわかりませんが、20歳という年齢を鑑みた際には今後届くオファーによっては売却にも前向きになることが予想されます。移籍金7500万ユーロという高値で加入しましたが数年後にはその価値はもっと膨れ上がるはず。仮に数年後に売却するとした際、先ほどのボヌッチと同様に新たなキャプテンを選出する必要がでてきます。また、在籍年数を考慮してもデ・リフトの新キャプテン就任は可能性が低いと言わざるを得ません。

 

その他の候補

その他の候補として意見をいただいたのは守護神のヴォイチェフ・シュチェスニーとクリスティアーノ・ロナウド。GKというポジションはチームを最後尾から支える立場としてカリスマ性であったり責任感を求められます。それもあってかキャプテンを務める選手は多くいて、代表的な選手はPSG移籍前のブッフォンやレアル・マドリードのバンディエラであったカシージャス、バイエルン・ミュンヘンのノイアーなど。シュチェスニーはもちろんトップレベルのGKではありますが、彼は寡黙な漢であり、ブッフォンのように感情を前面に出すようなことは多くありません。ユベントスがGKをキャプテンに据えるならばブッフォンのようなタイプの選手ではないでしょうか。

ロナウドについてはEURO2016を制覇したポルトガル代表でキャプテンの経験があり、彼は18歳で代表デビューを果たし、経験も豊富であるので妥当といえます。しかし、ユベントスで彼が次期キャプテンというのは考えられません。35歳という年齢もそうですが、首脳陣はCL制覇のために連れてきたこのバロンドーラーにこれ以上の重責を背負わせることはしないでしょう。

 

 

終わりに

以上、主に3人の次期キャプテン候補について考察してみました。

やはり個人的にはアイドルがデル・ピエロということもあってディバラがキャプテンマークを巻いて躍動する姿を見たい。頻繁な移籍が横行する現代ではこれほどバンディエラとしての資質を備えた選手はいないですし、今後ユベントスにあらわれる可能性も低いでしょう。ぜひ、「ユベントスのキャプテン」としての彼に心を躍らせたいものです。

 

今回もお読み頂きありがとうございました。

 

感想やご意見などぜひお寄せ頂けると嬉しいです。(了)

 


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