【さいちゃの目】サッリ政権ってどうなの?




今回は月ユベ執筆チームから「さいちゃさん」の寄稿となります。さいちゃさんの目に「アッレグリ後のサッリユベントス」はどう映るのか。是非、お楽しみ下さい。

 


サッリ政権ってどうなの?

 

お久しぶりです。さいちゃです。コッパショックに打ちひしがれていましたが、リーグ戦で3連勝を飾ったことによりモチベーションが少しずつ戻ってきました(笑)

 

さて今回の内容は、よくユベンティーノの間で話題になる「アッレグリの方が良かった」について、本当にそうなのか疑問になったので、過去の成績を振り返ってみることにしました。初めは全シーズン書き出していたのですが、思い出とか色々書いていたら収集つかなくなったので、主に3点に絞ってまとめることにします。

 

 

1.就任初年度の比較

まずは最近のサッリおじさんの発言にもあった「俺はユベントスに就任した監督の中で、一番いい初年度を送っているんじゃないかな」について。初年度の比較は難しいです。特にサッリのような戦術を落とし込むタイプの監督の場合、チーム構築とそのための選手補強に時間がかかるため、大抵1年目はいい成績が残せません(コンテのような単純で強い戦術を持っているタイプや、アッレグリのような現存の選手で最大値を生み出すタイプは初年度から安定しています)。

 

ではデータを観てみましょう。まだサッリはシーズン途中のため、1試合あたりの数字で比較しました。最も良い成績のところをオレンジ、悪いところを青で示しています。

 

つ、強い…(確信)。

 

こう並べてみると今季の特徴がわかりやすいですね。一言で表すとすれば「1点とられたら2点取ればいいサッカー」。他の監督と比べると守備が脆く負けが多いですが、その分得点が増加していて勝利数も多いです(一応補足しておきますが、失点が多いと言ってもリーグ最少です)。自分がしたいサッカーに合う選手が少ない中、欧州カップ戦を戦いつつ、2・3位とデッドヒートを繰り広げながらのこの成績(最高勝点)は評価してもいいのではないでしょうか?その当時の保有戦力や他チームの状況によって大きく変わるので一概には良いと言い切れないんですけどね(笑)

 

2.アッレグリ最終年との比較

次に前書きで述べた「アッレグリの方が良かった」について。確かにマックスは優秀な監督だったと言えます。フロントが雑な補強をしてきても必ずシーズン中に最適解を見つけ出し、安定した成績を残していました。ではサッリは劣るのか?上記の「1.就任初年度の比較」とは逆に、現有戦力がほぼ同じで、近い条件で比較できる昨シーズンと今シーズンをみてみましょう。

 

これは多くの方が意外だったのではないでしょうか?なんと、失点以外の項目は全てサッリが上回るという結果になりました。5シーズン目でマンネリ化もあったのでしょう、コッパイタリアではアタランタに破れここ9年で最低成績タイ。リーグでも26節までは無敗を誇っていましたが徐々に失速。CLアヤックス戦1stレグからは8戦で1勝しか挙げられずにシーズンを終えました。今冷静に振り返ってみると、優勝したとはいえここまで後味の悪い終わり方だと、解任は必然だったのかなと感じています。今季のサッリの方が成績が良いのであれば、「アッレグリの方が良かった」というのは数字の上では間違いです。

 

 

3.エースを活かせているのは?

これは「2.アッレグリ最終年との比較」に関連したテーマにもなります。アッレグリが昨年あれだけ瓦解したのは100%ロナウドの存在です。圧倒的な実力を持つスーパースターをチームに組み込むのにアッレグリは苦戦しました。本来であれば16-17シーズンのディバラのように、歪な選手がいても完成されたチームを作り上げるのがアッレグリの長所です。しかし、ロナウドの場合はそうはいかなかった。プレシーズンマッチからシーズン初戦までは4-2-3-1のトップに据え、ゴールに近い位置でプレーさせていました。しかし2節以降は4-3-3の左ウイングに固定。守備のバランスを意識するあまり、中盤3人が低い位置でのボール保持に終始し、3ボランチのような形になり攻撃の型が壊滅。結果としてアッレグリ政権で最少得点、最多失点をマークしました(ちなみに、ここ9年間で見ても得点・失点数共に8位です)。ロナウドを組み込みながら崩しまではうまくできていた4-2-3-1や、アトレティコ戦の3-5-2をなぜ継続採用しなかったのか、疑問が残るシーズンでした。

 

では、サッリ政権下でのロナウドはどうか。

(依存度はチーム得点王/チーム総得点数で計算)

なんと、”猛獣使い”と話題のアッレグリよりもロナウドを活かせているという結果に。まだ9試合未消化の中、堂々の3点増。かつ、チーム総得点の約4割をロナウドが叩き出しています。取るべき人が点を取れるチームは強いです。また、もう一つ嬉しい結果なのがディバラの得点数。昨シーズンは5得点でランク外だったのに対して、今季は第29節終了時点で10得点と倍増。不可能と言われているディバウド共存にも取り組んでいるのが見て取れます。ロナウドを完全に活かしきれているとは言いませんが、バランスを気にして活かせなかった昨季と比べると、エースの輝きが増しているのは間違いなくサッリ時代の方です。

 

 

終わりに

いかがでしたでしょうか?「ゲーム内容が伴っていない!」という声が聞こえてきそうですが、数字にはこの差が現れています。「ショーが見たければサーカスを見に行けば良い」と発言したアッレグリに従うとすれば、間違いなく今季の方が”良いシーズン”と言えるでしょう。まあ単純にサッリを擁護するために書いた記事なので、意図的に17-18シーズン以前を抜いたりとバイアスは相当かかっていますが、「もう少し長い目で見守ってあげよう」ということです。

チームは今変革期です。禁煙おじさんも頑張っています。ペップ・シティやクロップ・リバプールでさえ、チームを構築するのには2年以上かかりました。今季無冠に終わろうが、せめて後3シーズンはサッリを応援していこうと思いますので、皆様の熱いご声援、清きご一票をよろしくお願いいたします。

では。

 

(了)

 


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