アニエッリの言葉が誤って報道されている可能性があるので、公式風味として訂正させて頂きます。
『FTビジネス・オブ・フットボール・サミット』って言う会合にアニエッリが参加したようで、そこで発したとされるコメントが一時的にネットを賑わせておりました。しかし、日本で報道されている言葉と現地から届いたものとで少しニュアンスが違うようなので、今回は『公式風味』を自負する月ユベがその辺の事を取り上げてみたいと思います。
~SANSPO.comから「アニエッリのコメント」と紹介している部分を抜粋~
「偉大な国にいるというだけで、自動的に出場できることに関してだけは議論する余地があると考える。アタランタの功績には大きなリスペクトを抱いているが、国際舞台における歴史はなく、ただスポーツ面で素晴らしいパフォーマンスを示してヨーロッパ最高峰の大会へ出場することができた。これは正しいことなのだろうか、それとも違うのだろうか?」
「一方でローマについて考える。近年、イタリアのランキングをキープするのに貢献してくれたチームだが、1年間酷いシーズンを送ったために出場権を逃した。これにより財政的な面でも影響を受けることになる。投資や経費を保護していく必要もあるのではないだろうか」
確かにここだけ読んだひとは、「アタランタに対して失礼な発言だな」って感じると思うのですが、実際にユベントスに近しいジャーナリストが投稿したTweetを訳してみると、ちょっとばかり(と言うかかなり)違うようです。
I have deleted a tweet that criticised Andrea Agnelli’s comments on Atalanta from today’s FT Business of Football Summit in London because, having listened to the entire interview, he was taken massively out of context & I was wrong 1/5
— Adam Digby (@Adz77) March 5, 2020
FTビジネス・オブ・フットボール・サミットでアニエッリが発したコメントに対して、私は非難するツイートを投稿しましたが、それは誤解だと分かったので削除しました。(Adam Digbyも一旦はアニエッリを非難したようですが、それは誤解だったと認める所から始まります)
2/5 Mr Agnelli was discussing the need to reform European competition. Whether you agree or disagree with that he made some excellent points.
— Adam Digby (@Adz77) March 5, 2020
まずアニエッリは、ヨーロッパにおけるコンペティションの改善について口にしました。これを目にしている方がどう思うかは分かりませんが、彼が素晴らしい提案をしたと感じています。
3/5 Firstly, addressing the point that a Super League or similar would simply be rich clubs taking care of themselves, he rightly noted that Juve, RM, Barca, Bayern PSG etc will be in the top tier regularly no matter the format. That’s undeniably true.
— Adam Digby (@Adz77) March 5, 2020
「‘’スーパー・リーグ構想‘’などについて、それは財源が豊かなビッグクラブ主導のものであり、ユベントスを始めとしてバルセロナやレアル・マドリー、PSG、バイエルン・ミュンヘンなどが第一ポッドに入るに違いない」と、アニエッリは認めています。
4/5 Secondly, Mr Agnelli noted that Ajax, Porto, Benfica, Celtic etc shouldn’t be penalised for playing in ‘smaller’ leagues. Also true.
— Adam Digby (@Adz77) March 5, 2020
更にアニエッリは「しかし、アヤックスやポルト、ベンフィカ、セルティックなどと言った『小さいリーグ』でプレーするチームが、何かしらのビハインドを負う(不利な状態からスタートする)のは、正しいとは言えないだろう」と付け加えています。
5/5 Lastly, & here’s where Atalanta came up, Mr Agnelli was simply asking if they deserve to pass directly to Group Stage of the elite competition simply because they play in a ‘big’ league. A good question that warrants discussion.
Also a point that deserved its context.
— Adam Digby (@Adz77) March 5, 2020
ここで‘’アタランタ‘’の名前が出てきます。アニエッリは「これらの‘’小さなリーグ‘’からビハインドを負って出場するチームが(恐らくCLの予備戦の事も含まれる)いる反面、アタランタのように‘’大きなリーグ‘’に所属する事により、ストレートで本戦に出ているチームもいるのです」と伝えたに過ぎません。
あと、お馴染みのr4lxさんが関連のTweetを挙げてくれているので、そこも覗いてもらえると全体像が分かると思います。
…アニェッリ本人も当日の午後にアタランタのペルカッシ会長に直接電話を入れて、アタランタを攻撃する意図はなく、UCLへの参加権利の与えられ方について再考の必要性を強調するためのものだったと説明をしている。
昨日も実際にアヤックスの例を挙げていた。
— r4lx (@r4lx_j1897) March 6, 2020
…例えば少なくとも準決勝に進出したクラブは翌年の参加権を得るようにするなど、アニェッリとECAはより大きな安定性を求めているということだ。ローマで起きたように、大きなサイクルの中で一度道を外してしまうと、その代償は非常に大きい。「投資保護」を訴えているのはこうした背景からである。
— r4lx (@r4lx_j1897) March 6, 2020
編集長、こうやったお偉いさん方の発言とかは月ユベでほとんど取り上げていなくて、結局のところそれは「ピッチ上で戦う選手たちには関係のないもの」だと思っているのが理由です。でも、今回の日本での報道されたものにおいては
『ユベントス会長が疑問「歴史がないアタランタのCL出場は正しいことなのか?」
って単にページビューを稼ぐ為だけの見出しを付けるのは、ちょっと違うんじゃないかなって思い、あえて月ユベで取り上げさせて頂きました。
実際にそのサミットで何が語られたのか分かりませんし、今回取り上げさせて頂いたAdam DigbyさんのTweetの信憑性も分からないし、更には編集長が気合と根性で仕上げた日本語訳がニュアンスを捉えているのかも分からない。それでも、アニエッリはユベントスを支えている仲間だし、その大切な仲間の発した言葉が湾曲して(しかも誇張されて)日本で報道されているのであれば、それを払拭したいと思い、記事アップに至りました。
もしかしたら編集長の解釈が間違っているかもしれません。もしそうだったらお詫びします。ただ、その可能性があったとしても、今回は記事として取り上げたいと思った次第です。
でも、この記事を読んで
編集長ってユベントス愛があるよねー
とか
編集長って心もイケメンだよねー
とか
ユベンティーニだったら月ユベを読まない手はないよねー
とか
SNSなんかでそう言うコメントはいらないからね!
本当の本当の本当の本当にいらないからね!
なんかそうなったら嫌らしくなっちゃうから絶対に絶対にやめてね!
つーか、本当に日本語訳が怪しいし、何よりもこのサミットで「何について話していたか」は良く分かっていないのよね。各リーグに配分されるポイントの事とか何とかみたいだけど、まぁいいか。