【ビギナーでも分かる】2019-20シーズン ユベントス手引書
2019-20シーズン ユベントス手引書
昨シーズンは国内リーグ8連覇を成し遂げるもコッパイタリアはベスト8敗退、そしてチャンピオンズリーグ悲願の優勝を目指し‘’クリスティアーノ・ロナウド‘’と言う希代のスーパースターを獲得したユベントスでしたが、ベスト4を賭けた戦いでヤング・アヤックスに完敗。今シーズンこそビッグイヤーを掲げる為に大型補強を繰り返したユベントス。しかしその道のりは決して容易いものではありません。
今回は「2019-20シーズン ユベントスの手引書」として、ユーべの事をよく知らない方やファン歴が浅い方向けに記事を書いたので、読んで頂きひとりでも多くの方がユベントスに興味を示して頂ければ幸いです。
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監督
- 名前:マウリツィオ・サッリ
- 生年月日:1959年1月10日
- 国籍:イタリア
- 主な監督歴:2012-15 エンポリ、2015-18 ナポリ、2018-19 チェルシー
2014-15から2018-19シーズンまでユベントスの指揮を執り、国内リーグ5回(5連覇)、コッパイタリア4回の優勝を成し遂げだ名将アッレグリを解任し、今シーズンはマウリツィオ・サッリをチェルシーから招聘した。
ナポリ時代には自身が掲げるポゼッションサッカーでセンセーショナルを巻き起こし、そして昨シーズンはチェルシーの監督に就任すると初年度でヨーロッパカップ優勝を果たす。
(2018-19シーズンは自身初のメジャータイトルを獲得した)
これまで指揮を執ったナポリ、チェルシーではスタメンを固定して戦ってきたサッリが、厚い選手層を誇るユベントスでターンオーバー制をとるのか。そして、サッリが掲げるパスサッカー(=サッリズモとも呼ばれる)を浸透させるまでにどれくらいの時間を要し、その間もユベントスは勝ち続ける事が出来るのか、にも注目が集まる。
目標
表向きのスタンスは『獲れるタイトルは全て獲る』で間違いないが、実際には‘’チャンピオンズ・リーグ制覇‘’がクラブ最大の目標であり、サッリに課せられたミッションである事は明らか。そして、その為に国内リーグ5連覇を果たしたアッレグリを解任し、一発勝負のヨーロッパカップを制覇したサッリをユベントスは招聘した。
(2018-19のCLは、ホームでアヤックスの前に完敗を喫した)
昨シーズン、一昨シーズンとCLベスト8で敗れたチームはサッリのもとでベスト4に進み、そして決勝進出を果たし悲願のビッグイヤー獲得なるか!
新加入選手
今シーズンも大型補強を敢行し、中盤にはトランスファーフリーでラムジー(アーセナル)とラビオ(PSG)を獲得。加えてここ2シーズン『泣き所』と言われたセンターバックには、サッスオーロからファイター系のデミラルを、そしてバルセロナ、PSGと言ったビッグクラブとの争奪戦を制して、アヤックスから‘’若手No.1センターバック‘’と名高いデ・リフトの獲得に成功。これによりユベントスのセンターバックは一転『ストロングポイント』となった。
また、カンセロがマンチェスター・シティに移籍して空いたサイドバックには、交換トレードの形でダニーロが加入。更にはイグアインがレンタルバックで、そしてブッフォンがPSGから帰還した。
【新加入選手一覧】
No | 選手名 | 前所属 | |
4 | デ・リフト | アヤックス | |
8 | ラムジー | アーセナル | |
13 | ダニーロ | マンチェスターC | |
21 | イグアイン | チェルシーよりレンタルバック | |
25 | ラビオ | PSG | |
28 | デミラル | サッスオーロ | |
77 | ブッフォン | PSG |
(ブッフォンは数あるオファーの中から‘’我が家‘’であるユベントスに戻る事を選択した)
注目3選手
ロナウド
言わずと知れた世界ナンバーワンプレーヤーであり、チャンピオンズリーグ優勝請負人である。
加入初年度となった2018-19シーズンは移籍後初ゴールまで4試合を要したものの、終わってみれば公式戦28ゴールを挙げチーム得点王と国内リーグMVPを獲得。年齢は35歳とベテランの域に達したが、今シーズンも「チャンピオンズリーグ男」の勝負強さに期待が掛かる。
デ・シリオ
ビッグネームが名を連ねるユベントスにおいて、カンセロの移籍もあり唯一の‘’ウィークポイント‘’と言われるのがサイドバックである。そのポジションにおいて、右も左もこなせるデ・シリオがどれだけ出場し、どれだけ安定したパフォーマンスを見せる事が出来るかが、チームの明暗を分けると言っても過言ではない。
ユベントス移籍3年目を迎え、そして師弟関係を築いていたアッレグリがチームを去った今シーズン、デ・シリオの真価が問われる。
ラビオ
ここ2シーズン、ゲームメイクをピャニッチ1人に任せていた中で、ラビオの安定感と高い基礎スキルはピャニッチを助け、そして中盤に落ち着きをもたらすだろう。昨シーズンは契約更新を拒否し続けた事で、所属するPSGでの出場機会を大きく奪われてしまったが、その溜まった鬱憤の全てをイタリアの舞台でぶつけてくれるに違いない。
システムとスタメン
基本システムは4-3-3。
現時点ではまだ『サッリ色』は強く見えないものの、シーズンを掛けて完成度を高めてくると考えている。
この中でレギュラー確定とも言えるのは、スチェスニー、アレックス・サンドロ、ピャニッチ、ロナウドの4名のみで、他のポジションは‘’どの大会‘’、‘’どの試合‘’で誰がスタメンに名を連ねてもおかしくない状態である。
鍵となるのはやはりピャニッチ。この『ユベントスで唯一替えの利かない選手』とも評されるボスニア代表ミッドフィルダーがいるといないとでは、サッカーの質が変わってしまう事はここ数シーズンで証明されており、今シーズンもそれに漏れずである。
そしてチェルシーからレンタルバックでユベントスに戻ったイグアインからも、目を離す事が出来ない。昨シーズンはローンでミラン、チェルシーに放出され、悔しい思いを味わった‘’セリエA最多得点記録保持者‘’は、今シーズンは自身の強い想いのもとにユベントスでプレーする事が決まった。ロナウドと言う絶対的エースが存在するチームにおいて、イグアインが黒子に徹する事ができれば、チームが持つ戦術の幅も大いに広がるであろう。
(イグアインは‘’セリエA得点王記録保持者‘’の肩書を捨てて、チームプレーに徹する事ができるか)
また、それぞれ「35歳のキエッリーニ」「32歳のボヌッチ」から、デ・リフトとデミラルがレギュラーを奪う事が出来れば、それは自ずとユベントスのディフェンスラインが強固なものになった証明でもある。
課題
大型補強を敢行したものの、監督も代わりチームとしての土台が出来上がるには時間が掛かる事は‘’火を見るよりも明らか‘’である。その環境の中で「常勝」を求められるユベントスが、いかに負けずに戦い抜けるかが特に序盤戦のポイントとなるだろう。
また今シーズンは新戦力の獲得には成功したが、選手の放出に関しては苦戦したと言わざるを得ない。過剰とも言える選手数を擁しながらどのように選手のモチベーションを保たせるか、サッリの手腕にも注目が集まる。
所属メンバー
(2019年9月7日現在)
ゴールキーパー | |||
1 | スチェスニー | ユーべのゴールマウスを任せるに値する、バランスの良いGK。 | |
22 | ペリン | 今夏の移籍に失敗。冬のマーケットで移籍濃厚。 | |
31 | ピンソーリオ | 第3GKながらもチームのムードメーカーとして貢献度は高い。 | |
77 | ブッフォン | ベンチを受け入れてPSGから帰還。チームの精神的支柱。 | |
ディフェンダー | |||
2 | デ・シリオ | 右も左もこなせるユーティリティ性を持ち合わせる。 | |
3 | キエッリーニ | ユベントスを率いる頼れるキャプテン。(※怪我により長期離脱中) | |
4 | デ・リフト | ユーべの新しいディフェンスリーダーとなるべく逸材。 | |
12 | アレックス・サンドロ | 左サイドのカギを握るサイドバック。 | |
13 | ダニーロ | マンチェスター・シティより加入。安定感に期待。 | |
19 | ボヌッチ | 右足から繰り出されるフィードは世界屈指。 | |
24 | ルガーニ | 新戦力の加入により苦しい立場に。 | |
28 | デミラル | モンテーロの系譜を受け継ぐハードタックラー。 | |
ミッドフィルダー | |||
5 | ピャニッチ | ユベントスの心臓であり、チームで唯一替えの利かない存在。 | |
6 | ケディラ | 非凡な戦術眼を持ち合わせ、「サッリズモ」の鍵となる選手。 | |
8 | ラムジー | アーセナル時代に見せたダイナミックさはチームにアクセントを与える。 | |
14 | マテュイディ | ユベントスのダイナモ。底なしの運動量でチームを助ける。 | |
23 | エムレ・ジャン | ハイレベルのユーティリティプレーヤー。SBやCBもこなす。 | |
25 | ラビオ | PSGより新加入。繊細なプレーで中盤に安定感をもたらす。 | |
30 | ベンタンクール | ユーべ加入3年目。経験を積み、まずは控えの一番手に。 | |
フォワード | |||
7 | ロナウド | バロンドール5度受賞の世界No.1選手。今シーズンも勝負を決定づけるゴールに期待。 | |
10 | ディバラ | 消化不良に終わった昨シーズンから、宝石は再度輝く事ができるか。 | |
11 | ドウグラス・コスタ | サッリ・ユーベの中心となる選手に指名。高速ドリブルで相手守備陣を切り裂く。 | |
16 | クアドラード | 今シーズンは右SBでの出場も。独特のテンポのドリブルがアクセントに。 | |
17 | マンジュキッチ | イグアインの帰還で苦しい立場に。しかし必ずその闘志がチームを助ける事に。 | |
21 | イグアイン | 恩師サッリの下で復活を目指す。 | |
33 | ベルナルデスキ | ユーべ移籍3年目は、レギュラー奪取に繋がる活躍に期待する。 | |
(名前のリンクをクリックすると、選手紹介に移ります)
まとめ
ユベントスにとって‘’チャンピオンズリーグ優勝‘’は悲願ではあるものの、このコンペティションを勝ち抜く事が出来るのは欧州でわずか1チームであり、そして頂に辿り着くには「運」も必要となります。
昨シーズンに引き続き大型補強を敢行したユベントスにおいてそれを追う事は‘’義務‘’ではあるものの、しかしそれが全てかと言われれば答えは「No」であり、結果だけにフォーカスすべきかと言えばそれも同じく「No」であります。まずは日々の生活の中にユベントスがある事に感謝の気持ちを持ち、更にはチームの調子が良くない時こそポジティブな声をあげ、後押しするのがサポーターだと私は考えます。そして、長いシーズンを鑑みた時に、必ず『良くない時期』は訪れるでしょう。
今回はユベントス歴の浅い方向けに記事を書きましたが、これを読んでくれた一人でも多くの方がユベントスに興味を持ち、シーズン終了時には「サポーター」になって頂いていればこの上ない喜びです。
サポーターを名乗るのに年月は関係ありません。
2019-20シーズンのユベントスを一緒に応援しましょう!
Forza Juve!